- 「ヨーロッパ退屈日記」読了以来、やや間は開きましたが伊丹十三のエッセイ。
- スノッブな話題は今となっては殆どどうでも良いことばかりのような気がしますが、時折熱く語る話題にグッとくるものがあります。
- 「ヨーロッパ退屈日記」でも、海外生活を仮の生活だと思ってはいけない、という主旨を語っていましたが、本作でも「人間、いったんこういう現在を失った時間体系の中に生き始めたら、これは死に至る病というものである。常に、空しい期待とうそ寒い悔恨の中に生きるということになってしまう。」と語っていて、またしてもジンとしてしまいました。
- ついでなので次の「再び女たちよ!」まで読んで伊丹十三シリーズを終了したいと思います。
- 追記。
- ありきたりなスーツを作りたかったらロンドンで仕立てろ、という話は、春具のJMMの連載で引用されたことがあったのですが、あの回は非常に面白かった。一定年齢以上の人にはやはり強い影響を与えていることが伺えます。