春風亭柳好/春風亭柳枝 「落語蔵出しシリーズ(6)」

落語蔵出しシリーズ(6)野ざらし/ガマの油/花色木綿

  • 北村銀太郎に「『梅は咲いたか』の出囃子が鳴ると、もう客席がザワザワしてくるのがわかる。で、高座に姿をあらわすと、『野ざらし!』って声がかかる。何度聞いてもまたおもしろい。客が『野ざらし』でなきゃすまないんだよ。こんなのあまりないよ」とまで言われればどうしても聞きたいというもの。
  • ライナーにも「得意は『野ざらし』と『ガマの油』で、寄席の高座に登場すると、客席から『野ざらし』『ガマ』と声がかかる。こういう場合は『どちらをやりましても、片方のお客様に差し障りますので・・・』と断って、別の噺をやったという」とあります。芸術協会の雄、必殺の演目。
  • 「謡い調子」でリズミカルにどんどん進む反面、音質の悪さも手伝って、一聴しただけでは「野ざらし」の噺の流れが良く分かりませんでしたが、声に華があって、後半の暴走振りなどとにかく楽しい。
  • 北村銀太郎が「あと酔っ払いがうまかったのは柳好だな。『がまの油』だの『青菜』だの、うまかったよ」と言うだけあって、「ガマの油」の酔っ払いは至芸。「滅茶滅茶に切れる〜」で声出して笑いました。
  • 春風亭柳枝の「花色木綿」は落ち着いた端正な語り口で、華やかな春風亭柳好とバランスが取れていると言えなくもない。
  • 在庫切れになっている「三代目春風亭柳好名演集」収録の「野ざらし」は別バージョンのようで、そちらも機会があれば聞きたいところ。