スコット・フィッツジェラルド 「マイ・ロスト・シティー」

マイ・ロスト・シティー (村上春樹翻訳ライブラリー)

  • これぐらいの活字が目に優しいです。新聞もそうですが、一昔前の活字の小ささには参ります。

  • 読み返してみると「失われた三時間」が実に切ない。胸痛む残酷な結末を用意しておいて、結びが「でも、人生の残り半分なんて、結局はいろんなものを切り捨てていくための長い道のりに過ぎないのだ、と彼は思う。たぶん、そこには意味なんか何もないのだろう」。
  • 中公文庫版には収録されていなかった1936年のインタビュー(クリストファー・シルヴェスター編「インタビューズ2−スターリンからジョン・レノンまで」に収録)が巻末に追加されています。
  • そのインタビューでも引用(「そして魂の真の闇夜にあっては、来る日も来る日も、時刻はいつも午前三時なのだ」)されている「フィッツジェラルドの散文の極致」と評されるエッセイ(「壊れる」「取扱い注意」「貼り合せ」)を読んでみたいのですが、「アメリカ短編24」は在庫切れの模様。