林家正蔵(彦六) 「NHK落語名人選(91)」

NHK落語名人選(91) 八代目 林家正藏 笠と赤い風車・こんにゃく問答

  • 「笠と赤い風車」と「こんにゃく問答」。視覚情報抜きでは厳しいとは知りつつも「こんにゃく問答」が聞きたかったので。
  • 「こんにゃく問答」といえば林家正蔵。いわゆる彦六師匠。言うほど木久扇のモノマネは似ていない気がしましたが、晩年に向けてああなっていったのかもしれません(録音年月日不詳)。いずれにせよ個性的な話し方であることに間違いはありません。
  • 夏目漱石が「三四郎」において「彼と時を同じうして生きている我々は大変な仕合せである」と激賞した三代目小さんに師事したというのだから、歴史の生き証人というかシーラカンスを目の当たりにしているようで非情に感慨深い。
  • とはいえ1895年生まれだから志ん生(1890年生まれ)に比べれば5つ年下。1982年まで健在だったので余計にそう感じるのかもしれない。
  • 蒼天航路」でもネタにしていましたし、よく似たジューイッシュ・ジョークもあるという普遍性を湛えた噺。
  • 平岩弓枝作の「笠と赤い風車」はちょっとその良さが理解不能でした。人情噺なのか怪談噺なのか判断しかねている間に迎えるバッドエンディング。
  • ちょっとセレクトを失敗した気がするので、改めて人情噺か怪談噺の代表作を聴いてみたい。「蔵前駕籠」「文七元結」「鰍沢」辺りでしょうか。