- 「マイ・ロスト・シティー」に続いて中公文庫から買い換えて再読する村上春樹翻訳ライブラリー。「マイ・ロスト・シティー」は翻訳中心ですが、本作は村上春樹のエッセイ中心。分量的には半々ぐらいでしょうか。
- 最晩年、ロサンゼルスで一人暮らしのフィッツジェラルドが自分に書いた葉書(「元気かい?ずっと君に会いたかった。僕は今、アラーの園というところに住んでいる」)の写真がものすごく切ない。
- 「僕は三十二になり、リヴィエラにおけるディック・ダイヴァーの歳に近づきつつある。結婚生活とは、根本においてはおしなべて一種の精神治療行為であるとも思えるようになった。」という一文が実感とともに理解できる歳になりました。
- 映画「華麗なるギャッツビー」の脚本がコッポラだったとは知りませんでした。機会があれば観てみたい。
- 「スコット、アーネスト、そして誰でもいい誰か」は中公文庫未収録。ヘミングウェイともフィッツジェラルドとも親交の深かったアーノルド・ギングリッチ(エスクァイアの創刊者)による回想。フィッツジェラルド寄りではありますがしみじみと読ませます。
- 「スコット・フィッツジェラルド・ブック2−バビロンに帰る」もこのシリーズで買い換えた上で再読したいのですが、いつ刊行されますか。