司馬遼太郎 「播磨灘物語(1)~(4)」

新装版 播磨灘物語(1) (講談社文庫)  新装版 播磨灘物語(2) (講談社文庫)  新装版 播磨灘物語(3) (講談社文庫)  新装版 播磨灘物語(4) (講談社文庫)

  • 司馬遼太郎は「坂の上の雲(1)」だけ購入したまま読み始めるきっかけを待っている状態が長いこと続いていたのですが、ここにきて思わぬ方向から突破口が。
  • そう言えば去年福岡に行ったときに見た墓は黒田如水のものだったかと調べて見ましたが、二代藩主忠之、三代藩主光之、八代藩主治高の墓でした(東長寺)。
  • 黒田家の来歴がゆるゆると語られる第1巻の前半で読み通す自信を失いかけましたが、第1巻の終盤辺りからちゃんと波瀾万丈な展開が始まって一安心。
  • 安心したあたりから独特の文体に違和感を覚えましたが、読み続けているあいだに「これはこれ」で馴染んできました。
  • 肝心要の「戦国の風雲児、黒田如水にまつわる関ヶ原のクソ面白エかけひきやエピソード」は終章「如水」でサラッと簡潔に触れられているだけなので最初はガッカリしましたが、跡継ぎの長政や後藤又兵衛との関係も含め、かえって印象に残ります。
  • 目端の利く実務家だけど性格的にギラギラできないという、昨今の若者のような人物に描かれているため、後半は奇妙に淡々とした印象です。
  • 横山光輝「蛟竜−風雲児黒田如水伝」というアイテムに興味津々だったのですが、絶版のようで無念(電子書籍では入手可能なようですが)。