柳家小三治 「もひとつま・く・ら」

もひとつ ま・く・ら (講談社文庫)

  • 全体的に前作ほど面白くないのですが、内容というよりはテキストとしてのまとめ方の問題のような気がします。敢えてそうしたのだとは思うのですが、読み物としてはいささか雑駁。
  • という中では、落語関連の「Which is my way?(蒟蒻問答)」、「黒門町の『癇癪』(癇癪)」、「廻し(五人廻し)」は面白かった。
  • 志ん生師匠の噺はね、けっこう、あの、直しやすいですよ。第一、本人が何ゆってっかわかんないんですから(笑)。(志ん生師匠の真似で)『ンェ~でやんしたァ、ン~、そうです』なんて、何がそうだかちっともわからない(笑)」には笑いました。
  • 「笑子の墓」は染みる実話。強く印象付けられました。