桂米朝 「特選!!米朝落語全集(15)」

特選!! 米朝 落語全集 第十五集

  • 何となく聴いておくべきという気になった桂米朝の十八番「地獄八景亡者戯」。桂米朝私の履歴書」でも「一時間以上かかる長編はいくつかあるが、初めからしまいまでたっぷり笑わせられるスケールの大きい噺は他にない」と説明していました。
  • 「閻魔の出御、下に居ろう」のところで脱肛してしまったエピソードも紹介していました。
  • たっぷり過ぎて混乱しがちですが、場面転換の流れは以下の通り。
    • 伊勢屋のご隠居と喜ィさん
    • 若旦那一行
    • 正塚婆のエピソード
    • 三途川の渡船で死因駄洒落
    • 六道辻(近日来演)
    • 念仏購入
    • 閻魔の一芸審査
    • 医師、山伏、歯抜師、軽業師の活躍
  • 「その道中の陽気なこと」と言うとスッとはめものが入ってくるところが、上方落語の醍醐味の一つ。全編はめものが多くて嬉しいのですが、解説によると「終始、賑やかにお囃子鳴物が入りますが、これにもなかなか難しい呼吸が要ります」とのことで、やる方としては大変なようです。
  • 「妲妃のお百」というのは歌舞伎の方では有名なんでしょうか。「朝比奈三郎」についても全然知りませんでしたが、こちらは狂言らしい。
  • 広沢虎造清水次郎長伝」を一通り聴いた後なので、浪花節のところ(「清水港は鬼より怖いで」)は面白かったのですが、鍾馗=正気の駄洒落にはさすがに客席も無反応。
  • こういう噺なら桂枝雀で聴いた方が良かったような気もしましたが、ネタを復活させた本人による口演ですのでこれはこれで。
  • 10枚組×4セットの「桂米朝上方落語大全集」は1970年代の録音で、「特選!!米朝落語全集」とは別物だということに気が付きました(ちゃんと「私の履歴書」にもそう書いてあったのですが)。大人買い、とまではいかないにせよ1つぐらいは欲しい。