Django Reinhardt 「Djangology (Special Edition)」

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  • 小粋でスウィンギーなので、意気込んで聴き初めてもいつの間にか集中力を失ってサラッと聴き流してしまうのですが、スペシャル・エディションとして未発表曲11曲を追加、計23曲74分というヴォリュームもその一因のように思います。LPのAB面各25分程度というのが主体的に音楽を聴くのに理想的だと思うのは古くさい考え方なのかもしれませんが。
  • というようなありさまで、村上春樹が「ポートレイト・イン・ジャズ2」で「ほんとうにオリジナルな音楽だけがもつ、背筋のとおった熱い気迫に加えて、『今ここで生きていて、こうして音楽を作ることができるんだ』という自由な喜びのようなものが、もっとも自然なかたちで音となって結晶している。ラインハルトはほかにも多くの優れた演奏を残しているけれど、『ジャンゴロジー』におけるジャンゴとグラッペリの、水も漏らさぬほど緊密な、それでいてやくざっぽさを具合良く残したコラボレーションは、いつ聴いても惚れぼれとしてしまう」と深い思い入れを語るほどにはのめり込めませんでした。
  • とはいえ、「ビヨンド・ザ・シー」はともかくとしても、「マイナー・スウィング」、「(イッツ・オンリー・ア)ペーパー・ムーン」、「ラヴァーマン(オー、ホエア・キャン・ユー・ビー?)」、「アイ・ガット・リズム」辺りは非常にチャーミングな演奏でした。