- 「首提灯」(1989年)は、「提灯をかざして御免御免と声をかけつつ走る生活実態がない今日、このサゲはちょっとわかりにくい」ものの、「柳家小さんの口演も肩を並べるもので、剣道のたしなみがあるからか、悠々と演じている」とのこと。
- 「この噺のポイントは、首の異状と対処の仕草のおかしみ、加えて啖呵の冴えで、酔ういきさつやムシの居どころの悪さなどは陰に回してしまっていい」と酷い言われようですが、酔態だけを取り出して拡大した桂枝雀「上燗屋」も大好きです(「こんばんわっ!」「こんばんわっ!」)。
- 確かに、「ぼこすり野郎」、「四六の裏」、「二本差しが怖くて焼豆腐が喰えるか」などの啖呵は聴き応えがありますし、気が付けば首が右に回っている仕草も可笑しいですが、サゲは分かりにくいです。
- 「長屋の花見」(1987年)は、既に「NHK落語名人選(49)」で聴いていますが、「かつての三代目三遊亭金馬(1894〜1964)のようにことさら漫画にせず、長屋住民の自然な生活感を滲ませながら笑いを生む柳家小さん流が至上である」とのこと。
- 「汲む酒はこれ風流の眼なり月を見るにも花を見るにも」=月見や花見といった風流に、酒はつきものである。月や花をより深く味わい愛でるとき、酒は欠かせないのだ、と酒の効能を褒める歌、というのは分かったのですが、「戸無し長屋」の件で出てくる「四分板一枚をもって締まりと」云々というところが判然としません。
- 二人が喧嘩のふりをして酒と馳走を奪いに行き、「その酒樽はなんだ?」「酒のお代わりを持ってきました」というのが本来のサゲで、「酒柱が立ってます」は前半部だけで切った短縮版らしい。
- 「柳家小さん落語名人集」、「同ぱーと2」というシリーズのDVDが出ていることに気が付きましたが、調べてみると、日活の撮影所で観客無しで撮影したシリーズのようで、手を出しにくい。