柳家小さん 「五代目柳家小さん落語傑作選 其の八」

五代目柳家小さん 落語傑作選 其の八 [DVD]    五代目 柳家小さん 落語傑作選 全集 [DVD]

  • 「五代目柳家小さん落語傑作選」全集DVDボックス。其の八は「お神酒徳利」と「強情灸」。例によって引用は京須供充。
  • 「お神酒徳利」(1976年)。これは小田原で夜逃げして「先生が紛失した」とサゲる柳家の型ではありますが、程良い品が保たれる王道落語で、三遊亭圓生が御前口演に選んだのも良く分かります。
  • 「強情灸」は1974年放送の「落語名人選」からですが、客抜きのスタジオ録画のようで残念。「すさまじい強情と負けず嫌い。苦悶と我慢の変化、アクションが見ものだからビデオやDVD向きではあるが、音だけでも想像で充分楽しめる。江戸の浮世話らしい楽しさは五代目古今亭志ん生、アクションと表情のおもしろさは五代目柳家小さんだ」とのことですが、肝心要の「苦悶と我慢の変化」の部分で映像が表情に寄り過ぎで逆に興醒め。そこは淡々と撮って欲しかった。
  • 「無精猫」と類似のマクラが出てきますが、こちらは焼死した人間の親子が、畜生にするなら鼻の頭だけが白い黒猫にして欲しいと閻魔様に頼むという件(「ネズミの方が飯粒と間違えて食べに来ますから、そこを寝ながら捕まえて食います」)がついています。
  • 「豊臣時代の大盗賊・石川五右衛門の辞世と伝えられるのは、『石川や浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ』。『われ泣きぬれて・・・・・』は同じ石川ながら啄木の代表的短歌で、泥棒だけに歌も盗んだと尾ひれを付けることもある。志ん生小倉百人一首の名歌から採って『むべ山風を嵐といふらむ』を付けていた」とのことですが、ここではテレビ用の演出なのか短歌の引用はなし。