- 「延陽伯」はいわば「たらちね」の上方版オリジナル。名前が長いと火事の時にも困るというところで切っていますが、上方でも「飯が恐惶謹言なら、酒は依って件の如し」でサゲるのが本来の形らしい。
- 「高津の富」は「桂枝雀落語大全(1)」に収録されたもの(1981年10月3日)との比較になってしまいますが、富くじを買う男のハッタリや当選が判明する件(「どういうこと?」)とその後の演出などはこちらの方が自然で好みです。他方で、松ちゃんの妄想は1981年版が爆発力で勝っており、どちらも捨て難いです。
- 歌舞伎座での口演なのでやや雰囲気が独特ではあります。
- 1981年版の「おおきにありがとぉ〜」のところも意味なく可笑しかったですが、「ありがとうございます」もやたら可笑しくて何度見ても笑ってしまうポイント。
- 桂米團治のコメンタリーが恐ろしく詰まらなくて吃驚しました。