桂枝雀 「十八番(4) 延陽伯/高津の富」

十八番(おはこ) [DVD]

  • 桂枝雀のDVDボックス。ディスク4は「延陽伯」(1984年5月8日)と「高津の富」(1986年12月14日)。 コメンタリーは小佐田定雄に加えて、「延陽伯」が桂九雀、「高津の富」が桂米團治
  • 「延陽伯」はいわば「たらちね」の上方版オリジナル。名前が長いと火事の時にも困るというところで切っていますが、上方でも「飯が恐惶謹言なら、酒は依って件の如し」でサゲるのが本来の形らしい。
  • サゲまでやらない桂枝雀との差別化を図って出来たのが「御公家女房」とのこと(桂九雀)。
  • 「高津の富」は「桂枝雀落語大全(1)」に収録されたもの(1981年10月3日)との比較になってしまいますが、富くじを買う男のハッタリや当選が判明する件(「どういうこと?」)とその後の演出などはこちらの方が自然で好みです。他方で、松ちゃんの妄想は1981年版が爆発力で勝っており、どちらも捨て難いです。
  • 歌舞伎座での口演なのでやや雰囲気が独特ではあります。
  • 1981年版の「おおきにありがとぉ〜」のところも意味なく可笑しかったですが、「ありがとうございます」もやたら可笑しくて何度見ても笑ってしまうポイント。
  • 桂米團治のコメンタリーが恐ろしく詰まらなくて吃驚しました。