- NHK−BSで8月25日放送(宮川一夫特集)。1953年。ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。
- 上田秋成「雨月物語」を構成する9篇のうちの2篇「蛇性の婬」と「浅茅が宿」が原作のようですが、元々は、「蛇性の婬」が、男が蛇の化身である女につきまとわれるが、最後は道成寺の僧侶に退治されるという話で、「浅茅が宿」が、戦乱の世、一旗あげるため妻と別れて故郷を立ち京に行った男が、七年後に幽霊となった妻と再会する話だそう。原作というよりは原案という感じですが、違和感なく一つの話になっており、脚本の熟度が高い印象。
- これだけ観ても、溝口健二の巨匠たる由縁がビリビリと伝わってくるという感じではありませんが、ジャン=リュック・ゴダールに「5分で涙が出てくる」と言わしめた、宮川一夫撮影による映像の美しさだけは何となく分かる気はしました。
- 溝口健二にしては1シーン(≒1カット)が短く、クローズアップも多用されているらしいです。