アラン・ムーア/デヴィッド・ロイド 「Vフォー・ヴェンデッタ」

V フォー・ヴェンデッタ (SHOPRO WORLD COMICS)

  • 効果音やソートバルーンを排し、キャプションも極力抑えた語り口は、デヴィッド・ロイドの画風と相まってかなりコッテリ風味。歯応えがありました。
  • 他方で、自由を守るためファシズムと戦うヒーローというのは、個人的な好みからするとややナイーヴに過ぎる世界。アラン・ムーア本人も「全面核戦争の瀬戸際まで行った結果、イギリスがファシズムに支配されるという展開も、今にして見ればあまりにメロドラマ的で、そもそもがナイーブ過ぎる」と述べていますが、若書きという印象は拭えません。