- 昔観た「ヒストリー・オブ・ロックンロール:ギター・ヒーロー」というドキュメンタリーの中で、実在のギタリストの演奏シーンの間に、ナイジェルがギター・コレクションを紹介するシーンが挟まれていて、なんなんだろうと長年ボンヤリとした違和感を抱えていたのですが、思い立って調べてみたところ、あっさりと本作の存在に到達。
- アホらしくて下らなくて最高でした。79分という尺も潔くて素晴らしい。演奏シーンやカメラワーク、デビュー当時やサイケデリック・フォーク時代の(ニセの)テレビ出演映像など、モック・ドキュメンタリーとして意外なほどしっかりと作り込んであって笑えます。
- ストレートに愛情が爆発している「ブルース・ブラザーズ」(1980年公開)と比べるとかなり捻くれてはいますが、それでもここまで凝ったパロディを作るからには愛があるのでしょう(どちらもテレビ企画からの派生)。
- ヴォリュームの目盛りが11まであるアンプも可笑しかった(ロブ・ライナーの指摘は余計だったかも)。本作により「Up to eleven」はイディオムとして一般化しているというのも凄い。
- クリーブランド公演前に全員で「ロックンロール!」と盛り上がりながらも、迷ってしまってステージに辿り着けない件や、スタンドに置いたギターを足でかき鳴らしつつ、バイオリンの(弓ではなくて)本体でギターを擦るという、ジミー・ペイジを小馬鹿にしたようなシーンも最高に可笑しかった。
- ロブ・ライナーという人も、デビュー作が本作で、次は「スタンド・バイ・ミー」という、振り幅の広い変な人です。クリストファー・ゲストに主導権があったのでしょうか。
- 膨大なアウトテイクを収録した4時間半のブートレグがあるらしいですが、日本語字幕があるならちょっと見てみたい。全体に仕様が雑でもったいないDVDなので、30周年を目処に特典映像を含めた完全版が出れば嬉しい。