The Rolling Stones 「Exile on Main Street -Deluxe Edition」

メイン・ストリートのならず者<デラックス・エディション>

  • ついに出た「メイン・ストリートのならず者」デラックス・エディション。超豪華ブックレットには未練がありますが、LPはさすがに持て余しそうなのでスーパー・デラックス・エディションの購入は見送って、単なるデラックス・エディションを購入。
  • ミック・テイラーがインタビューで、このおじさんたちはこんなにダラダラしていてどうやってあんな傑作を作ったのか理解できず、このレコーディングは絶対に失敗だと思った、というようなことを語っていましたが、レコーディング風景の写真を見ると確かにリラックスを通り越して伸びきった雰囲気ですが、それがまた格好良いという。
  • 本編については今更感想もなにもないのですが、問題は未発表音源(日本盤のみのボーナストラックも含めて11曲)。一聴するにどの曲も本編とリプレイサブルな感じですが、「レコード・コレクターズ6月号」の特集における青山陽一の解説等も参考にしつつジックリ聴いてみると違う側面が少しずつ露わになってきます。
  • まず驚かされるのが、推定されるオーヴァーダビングの量(ミック・テイラーの追加録音の噂まで!)。この一筋縄ではいきかない感じは、ほとんどマイルス・デイヴィス&テオ・マセロの世界。
  • HMVのスペシャル・インタビュー企画はどれも読み応えがありましたが、特に寺田正典(「ダブル・レイヤー方式」かつ「キャリー・オーバー方式」)とサエキけんぞう(「タイムマシンにお願い」=「ブラウン・シュガー」)は濃かった。
  • ビートルズのアンソロジー・シリーズでいうと、「タイトル5」が「ワン・アフター909」、「オール・ダウン・ザ・ライン(オルタネイト・テイク)」が「アンド・ユア・バード・キャン・シング(オルタネイト・テイク)」というところでしょうか。
  • その他「ダンシング・イン・ザ・ライト」も実にストーンズらしいシェイク加減で最高でした。
  • 7月発売予定の「ストーンズ・イン・エグザイル〜『メイン・ストリートのならず者』の真実」も楽しみです。