- 「レコード・コレクターズ」のレビュー(「完全未発表だったジャクソン5絶頂期のライヴ音源をパッケージした限定プレスの2CDセットが出た。ライブ盤自体が少ないJ5だけに、これは快挙だろう」)に惹かれ、久方ぶりにCDを購入。世界で8000枚だそうですが、「限定プレス」と言われると焦る。
- 真にそそられたのは「ジェイムズ・ブラウン曲などをカヴァーし、小生意気にファンクする11歳のマイケル」という記述。まことに蠱惑的な響きですが、実際に聴いてみると、「ゼア・ワズ・ア・タイム」から続けてスライ&ザ・ファミリー・ストーン「サンキュー(ファレッティンミー・ビー・マイス・エルフ・アギン)」に突入するという選曲ほどには魅力的ではありません。
- その他、アイズレー・ブラザーズ「イッツ・ユア・シング」もカヴァーしている他、なんとオープニングはスライ&ザ・ファミリー・ストーン「スタンド!」の予定だったそうです(割と節奏がない)。チャイ・ライツのカヴァーはちゃんと決まっているじゃないか!と思いましたが(ジャーメイン・ジャクソン)、「アイ・ファウンド・ザット・ガール」はジャクソン5がオリジナルでした(ただの勘違い)。
- そのディスク1は1970年6月の公演(ロサンゼルス・フォーラム)。演奏が雑な上に音質も悪く、ガッカリ感が漂います。スタジオ録音がマジカル過ぎるのもあるのでしょうが、メンバー(ジャーメイン・ジャクソン(ベース)、ティト・ジャクソン(ギター)、ロニー・ランシファー(キーボード)、ジョニー・ジャクソン(ドラム))の演奏力の問題もあるのでしょうか。
- 何よりも一発目の「アイ・ウォント・ユー・バック」がハネていないのは致命的。何はなくともここは決めなくては。それでも最後「ラヴ・ユー・セイヴ」が終わると客席は熱狂の渦(MC「ご着席下さい!」)で、当時の勢いが覗えます。
- ディスク2は同会場での2年後(1972年8月)の公演。歌も演奏もこちらの方が断然良好。成長なのか習熟なのか。「アイル・ビー・ゼア」等のジャクソン5のオリジナルのみならず、「エイント・ナッシング・ライク・ザ・リアル・シング」や「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」等のカヴァー、「ベン」や「アイ・ウォナ・ビー・ウェア・ユー・アー」等のマイケルのソロまで、演目も良くこなれていて比較的決まっている感じ。
- 全体としては「聴いていて楽しい場面もなくはないけれども、敢えて買うまでもない」という感じ。