マックス・ヴェーバー 「職業としての政治」

職業としての政治 (岩波文庫)

  • 鳩山政権末期に各紙で引用されていた「政治とは情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめて、じわっじわっと穴をくり貫いていく作業である」という一節に刺激されて購入。1919年1月のミュンヘンのシュタイニッケ書店で行われた公開講演。
  • 他にも「国家以外のすべての団体や個人に対しては、国家の側で許容した範囲でしか、物理的暴力行使の権利が認められないということ、つまり国家が暴力行使への『権利』の唯一の源泉とみなされていること、これは確かに現代に特有な現象である。だから、われわれにとって政治とは、(中略)要するに権力の分け前にあずかり、権力の配分関係に影響を及ぼそうとする努力である、といってよいであろう」、「官吏として倫理的に極めて優秀な人間は、政治家に向かない人間、とくに政治的な意味で無責任な人間であり、この政治的無責任という意味では、道徳的に劣った政治家である」等々、印象深い言説が頻出。
  • 原文が古いのか訳が硬いのか、全体としてのメッセージは今ひとつ理解出来ませんでしたが、100余頁の短いものなので、放り投げることなく読了できました。