Aretha Franklin & King Curtis 「Live at Fillmore West: Don't Fight The Feeling」

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  • 以前ライノ・ハンドメイドから出ていた5000枚限定のコンプリート盤を入手しそびれたことをひそかに後悔し続けていたのですが、この度めでたく日本盤が発売。楽天市場にあるワーナー・ミュージックの直営店でしか購入できない模様。
  • ライナーにもキャパが小さくてアレサ・フランクリンのギャラがペイできない(のでライヴ盤を録音した)とありますが、写真で見てもフィルモアが随分小さくて驚きました。ザ・バンド「ラスト・ワルツ」で見たときはもっと大きかったような、と思いましたがあれは同じサンフランシスコでもウィンターランドでした。
  • やむを得ないとは理解しているのですが、3日(6セット)分の公演をディスク4枚に時系列順に収録というやり方は、iPod上では日ごと(セットごと)に結合・分割すれば良いものの、落ち着かないのは事実。
  • キング・カーティスの方はまぁこんなもんかなという感じで、ジョージ・ハリソン「マイ・スウィート・ロード」が目新しいぐらい。あとは「メンフィス・ソウル・ステュー」3ヴァージョン聴き比べが出来るのが利点でしょうか。
  • 最終日の出来が良いのは当然としても、音質も改善されているように感じられ、結局既発表の3日目の「メンフィス・ソウル・ステュー」ばかりを聴きまくる結果に。
  • 長い間、終盤でコーネル・デュプリーがギターのヴォリューム・コントロールをミスしている(音量が小さくてギター・ソロが聞こえない)と思い込んでいたのですが、クリアな音質でよくよく聴いてみるとそもそもソロはとらずにバッキングに徹している様子。2日目ではちゃんとソロをとっているのになぜなのでしょうか。
  • 対して、アレサ・フランクリンのセットは、「コール・ミー」、「メイク・イット・ウィズ・ユー」(ブレッド)、「ユア・オール・アイ・ニード・トゥ・ゲット・バイ」(マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル)、「シェア・ユア・ラヴ・ウィズ・ミー」(ボビー・ブランド)等、未発表音源にメロディアスで良いものが多く、聴き応えがありました。特に、ボビー・ブランド「シェア・ユア・ラヴ・ウィズ・ミー」は、リチャード・マニュエルのもっさりとしたカヴァーをイメージしていたので、良い意味で裏切られました。
  • アレサ・フランクリンは金属的な声質が苦手で個人的にはさほど愛聴してこなかったのですが、この手のミディアムを余裕を残しながら唄われるとやっぱり圧倒的な説得力があって感動します。「アメイジング・グレイス完全版」で苦手意識が克服できたのかもしれません。
  • とりわけ、「愛してる」「着いたらすぐに電話して」と繰り返す「コール・ミー」が、アレサ・フランクリンの自作曲であることを知った時には、本人の経験ではなくパーク・アヴェニューで別れるカップルを見てインスパイアされたと説明するシャイさとも相まって、心理的な距離が(一方的に)縮まった気がしました。泣けます。