- 「シテール島への船出」に引き続きテオ・アンゲロプロス。1988年。ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞。NHK−BSで8月25日放送。
- 弟アレクサンドロスと姉ヴーラが父親探し(「私だよ」)、とうことはアレクサンドロスはアンゲロプロス自身で、「シテール島への船出」のオープニングで兵士にいたずらをしていた少年もアレクサンドロスだったのか、と思いつつ観ていると、本作でもヴーラはトラック・ドライヴァーにレイプされ、ゲイの旅芸人に好意を抱き、兵士に売春を持ちかけており、アンゲロプロス本人のバックグラウンドに興味が湧くところです。
- ヘリコプターで運ばれる人差し指の欠けた手は「8 1/2」のオープニングを、オレステスが姉弟を追う夜道の光景は「甘い生活」を連想させますが、地獄巡りという点で「甘い生活」の方に類似点があるのでしょうか。
- 「シテール島への船出」はグッと来たのですが、本作は、創世記の引用や暗喩的なシーンがことごとく上滑りして、殆ど心に響きませんでした。年齢的なものでしょうか。