トルーマン・カポーティ 「冷血」

冷血 (新潮文庫)

  • 佐々田雅子による2005年の新訳。よく知りませんでしたが、ジェイムズ・エルロイ「ホワイト・ジャズ」の翻訳者のよう。リーダビリティは高いと思いますが、原文に忠実かどうかまではよく分かりません。
  • こういう再現VTRのような手法がノンフィクション・ノヴェルという理解で良いのでしょうか。現時点から見れば取り立てて凶悪とも言えないような事件でもあり、どうにもピンときませんでしたが、よく考えてみればトルーマン・カポーティでピンときたのは「ティファニーで朝食を」ぐらいなのでそもそも相性が悪いのかもしれません。
  • 今日では、凶悪犯罪を扱ったノンフィクションなら遥かに面白いものがたくさんあると思いますが、トルーマン・カポーティの代表作を読破したという爽快感だけでそれなりに満足。
  • 微細な点ですが、映画「カポーティ」の中で、キッチンの隣に独房があって不思議に思いましたが、あれは保安官住宅内部にあった女性専用の房だという描写に納得しました。