青柳いづみこ 「モノ書きピアニストはお尻が痛い」

モノ書きピアニストはお尻が痛い (文春文庫)

  • ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を聴き進めている今こそ、いくつか積まれているクラシック関係の書籍に着手することに。一番読みやすそうなものから。
  • ドビュッシー研究で知られるピアニストなだけに、やはりドビュッシー及びフランスの話題が多く、中心的なテーマとして通底しているのは、文学では可能な「醜悪の美」を音楽で表現することがなぜ困難・不可能なのかという問題提起。
  • その他、タイトルの元になったと思われる「ピアニストのお尻」(「クラシックのピアニストは、お尻に痣があるのを知っていますか?」)や「無駄毛再考」(「お昼どきにコンビニなどにでかけると、両ひじをヨガのポーズのように水平に上げたまま買い物をしている、奇妙な一団にでくわすことがある」)など、他愛のないエッセイも面白かった。