Various Artists 「Next Stop...Soweto vol.1-3」

Next Stop Soweto 1-3

  • レコード・コレクターズ」の広告で見かけ、人生で初めて購入したCDはマハラティーニ&マホテラ・クイーンズ「パリ−ソウェト」だった(その昔パルコのCMで流れていましたが、ライナーによるとあの頃が彼らの最後のリヴァイヴァルだったようです)なぁと懐かしく思い出しつつ、たまにはこういうものも聴いてみるかと何気なく購入。
  • ヴォリューム1は「タウンシップ・サウンド・フロム・ザ・ゴールデン・エイジ・オブ・ムバカンガ」ということで、ポップ・ミュージック編。知識と語学力が不足しているため、今一つライナーの理解が覚束ないのですが、1920〜30年代に流行したジャイヴっぽい音楽がマラビ、1950〜60年代に流行した、ジャグっぽいインスト音楽がクウェラ、この2つを源流とする1960〜70年代に爆発したポップ・ミュージックがムバカンガということのようです。
  • マハラティーニ&マホテラ・クイーンズ関係の3曲(「Umkhovu」、「Zwe Kumusha」、「Nomacala」)はさすがにチャーミングですが、その他ではテンポ・オールスターズ「テイク・オフ」の格好良さが目立ちました。テンポ・レーベルのテンポ・オールスターズというところもファニア・オールスターズみたいで格好良い。
  • ヴォリューム2は「ソウルタウン。R&B、ファンク、サイケ・サウンド・フロム・ザ・タウンシップ1969−1976」ということで、ややソウル〜ファンク系のラインナップ。この辺りのエッジーで攻撃的な音楽が、黒人意識の変化という点において、1976年のソウェト蜂起に繋がっていったというのは牽強付会であろうかと、ライナーに書いてあると思います。
  • その他、J.K.マイェンガニ&ザ・シングウェジ・シスターズ「クバニ」の演歌っぽいイナたいコク、ザ・ヒーローズ「カム・ウィズ・ミー」の微妙にドタドタしたドラムとシンプルなベースラインのコンビネーション、フィリップ・マレラ&ザ・ムーヴァーズ「インタンデイン」のハービー・ハンコック「カメレオン」そのまんまの潔い頂きっぷり、ザ・グラスホッパーズ「アイ・アム・ゼア」のクールな格好良さ、辺りが耳に残りました。
  • ヴォリューム3は「ジャイアンツ、ミニスターズ・アンド・メイカーズ:ジャズ・イン・サウス・アフリカ1963〜1978」という副題そのままにジャズ編。ライナーにはダラー・ブランドの写真が出てきますが、参加音源は含まれていないようです。長尺な曲が多く、本巻のみ2枚組。
  • スカイフ「ビー・ゼア」のラテン・プレイボーイズを思わせる深いバス・ドラムとフルートの響き、スピリッツ・リジョイス「ジョイ」の南アフリカウェザー・リポートというコンセプトに負けないシャープさ辺りが格好良かったですが、前2巻に比べるとソフィスティケイトされ過ぎていて今ひとつ面白味に欠けるかもしれません。