門田隆将 「甲子園の奇跡−斎藤佑樹と早実百年物語」

甲子園の奇跡 斎藤佑樹と早実百年物語 (講談社文庫)

  • ペラッと書店で立ち読みしたところが、恩師和田明のスピーチに号泣する故小沢章一の結婚式での姿を回顧する妻という落涙必死の部分。おっと思ってプロローグを読んでみたら、和田明の2回の涙(妻の肝臓癌と甲子園初出場)でまた感動。
  • リアルタイムでは「何がハンカチ王子だ」という感じで冷ややかに見ていましたが、こうやってまとめられると確かに熱い(若干情緒的すぎるように感じられる部分もあるのですが)。斎藤佑樹の高校二年生時、対日大三校のコールド負け後の涙のキャッチボールとそこからの成長には目頭が熱くなりました。
  • 思わず中村計「甲子園が割れた日−松井秀喜5連続敬遠の真実」を引っ張り出して拾い読み。「明徳サティアン」のような隔絶された環境に比べると、早実などには都会チーム特有の難しさがあるのでしょう。
  • 油断できないのが文庫版の最後に収録されている和泉実の解説「百年分の言霊」。優勝監督本人による虚飾を排した回想は鳥肌ものでした(「『八八回待ちました。八八回待って、その歴史で勝てました。本当に嬉しいです!』この絶叫は、早実野球部百年物語の言霊なのです」)。