- JMMで、三ツ谷誠の「常に歴史を新しい視点で解釈し直す事が、過去という鑑でしか未来を見通せない我々人類においては必須の事だと感じるのですが、最近は『逝きし世の面影』の渡辺京二の著作が通勤の混雑を忘れさせてくれる本になっています」との紹介に興味を持って購入。
- 昔の日本は良かった、ということを、当時日本に滞在した外国人の感想を通して執拗に積み上げていて、それなりにほのぼのと面白くはあるものの、期待していたような知的興奮までは得られませんでした。
- 出版した葦書房代表の久本福子が「『逝きし世』一冊だけでは、渡辺氏がなぜ同書を世に出すに至ったのか、読者にはほとんど伝わら」ず、「渡辺氏の他の著書を読んだことのない読者は、著者は単純に過去の礼讃をしたかったのかと思うはず。同書だけからは、それ以外の感想は出てきそうもないから」と語るぐらいなので、ごく普通の感想なのかもしれません。
- 面白いディテイルがいくつかあったのですが、「全員が歯の間から息を吸ってシューシューいいながらお辞儀をした」という「お辞儀のさいの帯気音」には驚きました。何のことだか想像もつかない。