- レコード・コレクターズのレビューに惹かれて購入。初期サウンド・システムでヘヴィー・プレイされていたブルースやR&Bをコンパイルするという、ありそうでなかったコンセプト。要するにスカ〜ロックステディーの源流。
- ディスク1が「ザ・ルーツ・オブ・シャッフル・ブルース(1946〜1951)」、ディスク2が「ザ・ゴールデン・イヤーズ・オブ・シャッフル・ブルース(1951〜1954)」、ディスク3が「ザ・ビッグ・スリー・テイク・オーヴァー(1954〜1960)」。各曲も年代順に収録。50年代から60年代初頭のジャマイカで、こういうので皆踊っていたんだなぁということが実体的、具体的に感じられて最高です。
- 聴けて嬉しかったのは、ローレル・エイトキンやブルース・ブラザーズがカヴァーしていた、フロイド・ディクソン「ヘイ・バーテンダ−」と、マーヴィン・ゲイ(とダイアナ・ロス)がカヴァーしていた、ジョニー・エース「プレッジング・マイ・ラヴ」(ヒットしたのがジョニー・エースの死後のことだとは知りませんでした)。
- 「サムデイ(ユール・ウォント・ミー)」のオリジナルってスマイリー・ルイスだったの?!とビックリしましたが、間違いでした(オリジナルはエルトン・ブリットという理解で良いのでしょうか)。同様に、「アイム・イン・ザ・ムード・フォー・ラヴ」ってファッツ・ドミノのオリジナルだったの?!とビックリしましたが、これもも間違い(オリジナルはフランセス・ラングフォード(映画「夜毎八時に」))。
- そんな中、一番感動したのは、オリジナルもカヴァーも聴いたことがなかったリル・サン・ジャクソン「ゲット・ハイ・エヴリバディー」。ヨレたというか、ヤレた雰囲気が最高で、デルロイ・ウィルソンのカヴァーを遙かに凌駕する格好良さ。
- 各曲ごとの解説がついたライナーも充実。サウンドシステムの発端が1944年の第1回総選挙だったとは驚き。キラーチューンのネタバレを防ぐためレコードのレーベルをはがしていたというのも面白いですが、その派生としてオリジナルの録音が始まったというのも個人的には目から鱗が落ちる思い。
- 触発されて、前々から気になっていた、ロイド・ブラッドリー「ベース・カルチャー:レゲエ〜ジャマイカン・ミュージック」も購入してみました。