- 「村上春樹インタビュー集1997−2011」という副題のとおり、「その出された物語がどう受け止められるかというのは、やっぱり時間に任せるしかないです。(中略)だから本当はあんまりこんなふうに喋ってもしようがないんだけど、でも、まあ時間ばっかりに任せているわけにいかないし・・・(笑)」ということで、年に1度程度受けていたインタヴューをまとめたもの。海外メディア中心。
- ヴォリュームの割には内容的な幅が狭いので徒労感は少しありましたが、レイモンド・カーヴァーについて語った「せっかくこうして作家になれたんだもの」は面白かった。長らく積みっ放しの「カーヴァーズ・ダズン:レイモンド・カーヴァー傑作選」に着手するきっかけになりそう。
- 初期2作品の翻訳が、著者本人の意向(「flimsyな(薄い)作品」)で、海外で刊行されていないという事実は知りませんでした。
- これで助走は完了、いよいよ「1Q84」。「なんのかんの言っても総体としてはすごいという」「総合小説」と感じられますかどうか。