山下達郎 「On the Street Corner 2」

ON THE STREET CORNER 2

  • 山下達郎の一人ア・カペラ第2弾(1986年)。それほど第1弾が気に入った訳でもないのですが。
  • 今回、個人的な好みが合致して嬉しかったのは「マイ・メモリーズ・オブ・ユー」と「ユー・メイク・ミー・フィール・ブランニュー」の2曲。
  • 「マイ・メモリーズ・オブ・ユー」については「ドゥー・ワップの名曲はそれこそたくさんありますが、その中でもこの曲は、私にとってベストにあげたいと思うもののひとつ」とのノーマルな賛辞ですが、愛情が溢れかえっているのが「ユー・メイク・ミー・フィール・ブランニュー」。
  • 「ヴォーカル・グループと作曲家が生み出すアンサンブルの、ひとつの究極」と最大級の評価をした上で、「バリトンとファルセットという、タイプの違うふたりのリード・シンガーによる応答を、自分一人で済まそうというのは、相当に虫のいい話だといわれそうですが、なにしろこの曲が好きなもので、つい・・・」というはにかみ具合。音源の方も素晴らしい仕上がり具合。
  • 逆に、知らなかった曲で感動したのは「ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロー」。「キャロル・キング−ジェリー・ゴフィンの最高傑作のひとつというだけでなく、ロックンロールにとって最も価値ある一作」、「永遠の名作」とのこと。何となく避け続けているキャロル・キングタペストリー」も買おうかという気になります。
  • 「フォア・フレッシュメンのスタイルに代表される、オープン・ヴォイシングによる男性4部のコーラスを、一人ア・カペラで行うことが、私の長年の夢であり、今回ようやく実現することが出来ました」とのことですが(「サイレント・ナイト」)、3度の3声だか、4度の2声だかも聴き分けられないレベルの者には敷居が高すぎます。
  • コード構成音の一部をオクターブ上げるなり下げるなりして、1オクターブ以上を使って鳴らすことをオープン・ヴォイシングというようです。1オクターブ以内だとクローズド・ヴォイシング。そう認識して聴けばそんな風に聴こえるような気もしますが、知識は増えてもさっぱり耳が成長しません。