- 妻と息子を迎えに東京駅に行く前に立ち寄った書店で見かけて手に取ってみたところ、「まわりの人々と助け合っていけますように」「約束を守ってうそを嫌いますように」という平易な訳文に素直に感動してしまったので購入。
- 「フォーエヴァー・ヤング」という曲は聴いたことはある筈だけれど、「グレイテスト・ヒッツ」第1集にも第2集にも収録されていないし、何に入っていたかな・・・という程度の認識だったため(「プラネット・ウェイヴス」を注文した後で、「ラスト・ワルツ」で演奏されていたことに気がつきました)、「子どもを思うあたたかな名曲」という事実すら知らず、GLEEシーズン3でウィル・シュースターが卒業生にこの曲を贈った理由がやっと理解できました。
- 「ぼくはひとりアリゾナ州に行って、そこで息子のことを思いながら『フォーエバー・ヤング』という歌をつくった。べつに作詞作曲をやろうと意気込んだわけじゃなく、自然にうかんできて、そのままできあがった。なるべく感傷的にならないようにと、ちょっと努力しただけだ」(ボブ・ディラン)とのこと。「なるべく感傷的にならないように」という自制が粋です。アリゾナ州トゥーソンというと、ガブリエル・ギフォーズ襲撃事件で有名になってしまいましたが、何故トゥーソンに行ったのでしょうか。
- こんなに印象的な歌詞ならもう少しGLEEシーズン3でも印象に残った筈なのにと思ってよくよく聴き返してみると、GLEEシーズン3で歌われていたのはロッド・スチュアート版のようで、歌詞も違うようです。
- ボブ・ディラン版は1974年発売のアルバム「プラネット・ウェイヴス」に収録。
歌詞は以下の通り。
- ロッド・スチュワート版は1988年発売のアルバム「アウト・オブ・オーダー」に収録。ボブ・ディラン版をリライトしたのがロッド・スチュワート版という位置づけのよう(ただし、発売当初はボブ・ディランのクレジットはなかったようです)。
歌詞は以下の通り。
- 平易な言葉で普遍の想いを語るという点でボブ・ディランのオリジナルがやはり素晴らしく、ボブ・ディラン版には出てこない「I」が頻出するロッド・スチュワート版の方は直截すぎる気がします。
- 「いつまでも若くありますように」という幅のある解釈が可能なフレーズの一つの限定的な解釈が「僕の心の中では君はいつまでも若いままだ」で、アーサー・ビナードによる「毎日がきみのはじまりの日、きょうもあしたも、あたらしいきみのはじまりの日」という思い切りの良い訳が適切かどうかまでは分かりませんが、そういうニュアンスはロッド・スチュアート版では切り捨てられてしまいます。