- 完結まで10年以上かかっていたとは知りませんでした(「92年に、読み切りのつもりで書いた小説が、いつの間にか三部作となり、11年もたった03年、ついに完結しました」)。
- 美点が全くない訳ではありませんが、全体のトーンが好みではなく、更には、好み以前の問題として、構成や彫琢が甘く、一定の水準に達していないというのが素直な感想。
- 映画版(2007年)の方が、余計なナラティヴのない分、楽しめる可能性が高い気がします。黒川芽以も出演しているので、機会があれば観てみたい。
- 野方を中心としたと思われる舞台には馴染みがあり、「池袋、新宿方面の名画座に行く時には、西武新宿線の線路沿いに走る」や、「新青梅街道より北側、環状七号線より左側、つまりは都立黒所高校の周辺には、薄汚れた青いボールを思わせるキャベツ玉がポコンポコンと畑に散らばる光景などというものもまだあったりする」といった具体的な描写は楽しめました。
- あとはエッセイを1つ2つ読んでみようかというところ。