「男はつらいよ−寅次郎忘れな草」

• ＮＨＫ−ＢＳプレミアムで６月１１日放送。山田洋次監督。１９７３年。シリーズ第１１作。リリー／浅岡ルリ子初登場作品。

• 時代劇・夢オープニングは他にもあったと思いますが、本作での本編とのつながりはいまひとつな気がします。

• 朝日印刷工場の工員水原は江戸家猫八（当時子猫）。生粋の江戸っ子が青森出身者というおかしみを狙ったキャスティングでしょうか。

• マドンナにしては相当思い切った、はすっぱなリリーのキャラクター描写だったはずで、それがシリーズ最多４回登場の原動力だったと思うのですが、個人的にはあまりタッチされません。

• マドンナが抱くちょっとした好感に対して、寅次郎がのぼせ上がった末に失恋、という黄金パターンからは外れていますが、この時点では、「男はつらいよ」シリーズもまだテンプレートに沿って再生産されるファンタジーではなかったという言い方も可能なのかもしれません。

• 最後に寿司屋の毒蝮三太夫と唐突に結婚していて驚きました。どうやって再登場するのか、「男はつらいよ−寅次郎相合い傘」（第１５作。１９７５年）も機会があれば観たい。