- 長らく躊躇していましたが、観始めてしまえば、237分の長さを感じさせないのは立派。ケチをつけようと思えばいくらでもつけられると思うのですが、全体が有機的に一体化していて、もうこれはこれとしか言いようがありません。
- こんな荒唐無稽な話を飽きずに観られるのは、実話に基づいているということが与えるリアリティーが大きいように思います。園子温が、その昔、実際に新興宗教団体で生活していたというのもいくらかの裏付けになっているでしょうか。
- 園子温のインタヴューによると「『愛は寛容なもの』だと言っているのにもかかわらず、映画の中では、愛がずっと不寛容なものとして描かれていること。それはキリスト教にも通じるんだけど、せっかくいいことを言っているのに、それを言えば言うほど不寛容な状況になってしまう。愛がこうなったらいいなと願うほど、それが真逆の方向にいってしまうという不幸、それを描きたかった。愛が『素晴らしい』と言ったそばから色褪せしぼんでいく予感、その恐怖、それでも愛ってすごいなと、その両極端が映画に出ている」とのことです。明示的に説明されてしまうと、そんなもんかなと妙に醒める感じはします。
- 深く感動したということもありませんが、溢れるパッションで作品を作りきってしまうというアプローチの有効性を再認識しました。