Various Artists 「『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック」

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック

  • 小澤征爾村上春樹小澤征爾さんと、音楽について話をする」再読の熱気で、YouTube等で色々視聴したりしておりましたが、こんな格好のアイテムがあると知って即座に購入、したところまでは素早かったのですが、出来心でついポッドキャスト町山智浩アメリカ映画特電」に寄り道している間に、ズルズルとモメンタムを失ってしまいました。
  • ディスク1は協奏曲を中心に収録。技術的な対話も多かったためテキストで確認しながら聴く楽しみあり。ベートーヴェンピアノ協奏曲第3番第2楽章など、 ピンポイントでどこのことを言っているのかよく分からずに聴き直したりするのもまた楽し(「今の三つ前のところ、音が合ってなかったな。光子さんきっと怒ってるんじゃないかな(笑)」等)。
  • マーラー4連発から始まるディスク3はやや難物かと思いましたが、読みながら聴くと「あ〜なるほど」とマーラーの世界が腹に落ちる感覚があったのは収穫。
  • 同書をベースに聴き比べをするのであればCDよりも音楽配信サービスだ、というような提灯記事も見かけましたが、聴きたかったものが収録されていなかったり、どうでもいいものが収録されていたりで、確かにその通りかもしれません(このために加入したりはしませんが)。
  • どうでもいいものの代表はルッソのブルース・コンチェルト。小澤征爾は「ブルーズが聴きたくて、(お客もほとんど黒人の)クラブにせっせと通っていた」と言っているのですから、この選曲はないでしょう。コアなブルースを入れる必要も全くありませんが、こんな何の関係のないものを入れる意味も全くないと思います。
  • と言いつつも無駄に想像してみると、小澤征爾がラヴィニア音楽祭の監督をしていたのが1964〜1969年なので、バディー・ガイ、ジュニア・ウェルズ、マジック・サムや売れる前のハウンド・ドッグ・テイラー辺りを見ていたのでしょうか。あるいは1964年の「アンド・ディス・イズ・マックスウェル・ストリート」の雰囲気でしょうか。具体的に想像すると改めて凄い。