- 米原万里は、昔、実家にあった「旅行者の朝食」をパラパラと拾い読みしたぐらいでしたが、本書が面白いという情報を聞きつけて購入。大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
- にも関わらず、長々と繰り広げられる会話形式が説明台詞っぽくなってしまっていて、会話自体が日本語訳であることも含め、何枚かフィルターを透過したようなような切実感のなさで、残念ながら涙腺は緩まず。
- 旧友との再会がもたらす後味の悪さには普遍性あり。20世紀後半の中東欧史という歴史的背景と普遍的な個人体験のツインカム構造が自然に一体化しているところが成功のポイントでしょうか。