Various Artists 「Get Your Soul Right: The Gospel Quartets and The Roots of Soul」

Get Your Soul Right

  • 中村とうよう監修のオーディブック「ブラック・ゴスペル入門」という大昔のアイテムを聴き返していたところ、ザ・スピリット・オブ・メンフィス・カルテット「ジーザス・ジーザス」等が良い感じに響いたので、長らく燻っていた、カルテットもののゴスペルをまとめて聴くというプランを実行に移すことに。
  • 基本的にはゴスペル・カルテットのコンピレーションなのにマヘリア・ジャクソンだけはソロで入っているという変な構成(ソウルへの影響力という分かるようで分からない整理)。
  • ゴスペルの世界で「カルテット」というのは4人組だけではなく、6人以下ぐらいのグループなら何人であってもカルテットと呼ぶんだそうです。今日の今日まで知りませんでした。
  • グループごとの個性を聴き分けられるにまではなかなか至りませんが、コンピレーションでつらつらと聴いているとサム・クックの飛び抜けた上手さや華やかさがよく分かります。
  • ジーザス・ヒッツ・ライク・アン・アトミック・ボム(Jesus Hits Like An Atom Bomb)」、「アトミック・テレフォン(Atomic Telephone)」とは目に飛び込んでくるタイトル。ゴスペルにこんなコンテンポラリーなソングライティングがあり得るのかという驚き。
  • 解説にある「トリッカレーション」というのは、例えば「デビル・キャント・ハーム・ア・プレイング・マン」で、「You’ve got to」「pray」「in the morning」「pray」「in the evening」「pray」「even in the midnight hour」とメインヴォーカルとコーラスがフレーズを歌い継ぐこと、という理解で良いのでしょうか。
  • ローリング・ストーンズ「ラスト・タイム」(1965年)がトラディショナル・ゴスペル「ディス・メイ・ビー・ザ・ラスト・タイム」の翻案であるとは知りませんでした(ほぼカバーですがクレジットはジャガー/リチャーズ)。
  • 他方でよく分からないのが、ウォード・シンガーズ「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード(Farther On Up the Road)」(1953年)と、クラプトンもカヴァーしたボビー・ブランド「ファーザー・アップ・ザ・ロード(Further Up the Road)」(1957年)の関係。クレジットは別人、歌詞も曲調も別物、でもタイトルがあまりに似ている。分かりません。
  • つらつらと聴いている分には悪い感じではないですが、もうちょっとスローでディープなド渋いコンピレーションを期待していたので、今の気分とはギャップあり。
  • それもある意味では「ルーツ・オブ・ソウル」というコンセプトどおり。次はベタベタ/コテコテのゴスペル・カルテットのコンピレーションを狙うということで課題は持ち越し。当面は手は出しませんが、特段の趣向のない廉価版のボックスなど良いかもしれません。
  • 強いて印象に残った1曲を上げるとザ・ゴスペレアーズ・オブ・デイトン・オハイオ「ジョイ・ジョイ・ジョイ」。YouTubeに動画を発見。良い時代です。