2017-09-24 鶴ヶ谷真一 「<増補>書を読んで羊を失う」 本 古今東西の書物を巡るエピソード集。単なるトリヴィアルな小ネタ集になりがちで、著者の実感も絡めてもう少し奥行きが欲しいところ。 とは言え単なる小ネタ集として知的刺激は十分。シーボルトが持ち帰って翻訳した日本の悲劇の正体、モーパッサン「親殺しの話」を翻案した三遊亭円朝「指物師名人長二」、シンデレラの発祥と伝播等々、へぇ〜と声が出るようなトリヴィアの連発。特に、貨狄尊者の話は驚愕の面白さでした。 板橋区中台に寺田寅彦の別荘があったというのも面白い話。近所に住んでいたこともあり、まじまじと地図を眺めてしまいました。