2018-11-10 山本さほ「岡崎に捧ぐ(1)~(5)」 本 岡崎さんの結婚やスギちゃんからのプッシュという要素がナタリーのインタヴュー等で事前に分かっていたので破壊力は緩和されていますが、実に感動的なフィナーレ。 世代は異なれど、高校生時代の鬱屈や20歳前後の不安感には共感を禁じ得ません。普通の人同士の長きにわたる交友の物語というのも大変好みでした。
2018-10-30 Beto Scala 「Beto Scala」 音楽 レコード・コレクターズのレヴュー(「グルーヴィな70年代サンバの名盤」「サンバ・ソウル『テン・キ・セール・アゴーラ』や『モッサ・ド・カベーロ・カシェアード』など、北米のソウル・ミュージックからの影響が色濃くうかがえるサンバ」(駒形四郎))に惹かれてユーチューブで試聴したところ良い感じだったので購入(HMVでは空振りしたものの芽瑠璃堂で入手)。 70年代ニューソウル的な透明感と高揚感があって、なおかつ歌謡曲的な親近感も感じさせ、1ミリも意味が分からないポルトガル語と相まって、ボケーッと聴くには最高に心地良い。ディスクユニオンの解説で言うところの「MPB的なマナーも踏まえたキャッチーかつグルーヴィーなサンバ」というやつでしょうか。 クィーカ等が醸し出すのアナログなグルーヴ感、曲調に緩急もあって、気持ち良く聴き始めるといつの間にか終わっているという天国感。必聴というほどのこともないけれど、聴けば聴くほどチャーミングな佳いアルバム。
2018-10-22 角幡唯介「雪男は向こうからやって来た」 本 「空白の五マイル-チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」の角幡唯介。新著「極夜行」が好調のようですが、既文庫化の旧作をチョイス。 朝日新聞を退社してからツアンポー探検に行くまでの間に参画していた雪男プロジェクトの顛末その他。「空白の5マイル」で開高健ノンフィクション賞を受賞する前年に本作で同賞に応募、最終選考で落選していたとのこと。 アプローチはかなり異なりますが、存在には半信半疑のまま、現象としての雪男に魅了されるという点で佐藤健寿「ヒマラヤに雪男を探す」に類似。 「経験豊富で勇猛果敢な猿、雉、犬に『鬼ヶ島には鬼がいるんだってさ。見に行こうぜ!』と誘われ、『え、まじで?』とたじろぐうちに、いつのまにか旅の仲間に加えられて困惑する桃太郎」(三浦しをん)とは言い得て妙。 芳野満彦、田部井淳子といった著名な登山家に雪男目撃体験があるのも驚きでしたが、フィリピンから小野田少尉を帰還させた鈴木紀夫が6回の雪男捜索の上雪崩で死亡していたという事実の業の深さに感じ入ります。 その鈴木紀夫の著書「大放浪-小野田少尉発見の旅」も読んでみたいですが、今年3月にNHKで放映されていたらしいドキュメンタリー「小野田さんと、雪男を探した男~鈴木紀夫の冒険と死~」が観てみたい。再放送待ち。
2018-10-18 桜玉吉「日々我人間」 本 週刊文春の連載がついに単行本化。近作はお布施のつもりで購入していますが、肩の力を抜いて人生を下っている感じで、一時期のような痛ましさは感じられません。 伊豆暮らしには憧れるけれどムカデは怖い。 タイトルが楳図かずお「ひびわれ人間」だとはあとがきで初めて知りました。 裏表紙裏にこっそり収録されている「タンマさん」(東海林さだお+益田ミリ)も絶妙に可笑しい。
2018-10-17 「レコード・コレクターズ11月号」 本 メモ Ike & Tina Turner 「Live in Paris Olympia 1971」 Various Artists 「Cuba Jazz, Jam Sessions - Descargas 1956-1961」
2018-10-16 蛭子能収「私はバカになりたい<復刻版>」 本 福満しげゆきに感銘を与えたという蛭子能収の作品とはどんなものかと読んでみましたが、ニューウェイヴの波に乗ったとはいえここまでアンダーグラウンドなものがよく世に出たなという驚き。完全にアウトサイダー・アート。
2018-10-15 「世界にひとつのプレイブック」 映画 NHK-BSプレミアムで7月17日放送。デヴィッド・O・ラッセル監督。2012年。 ギクシャクと不自然なところも多いのですが、横溢するジェニファー・ローレンスの魅力が解決。 後半は予定調和的な軽い感じでしたが、もうちょっとくたびれた30代半ばの女性だったら印象が違ったかもしれない。 イーグルスもニック・フォールズでひょっこりとスーパーボウル・チャンピオンになってしまったので、映画世界におけるイマイチな扱いもお終いでしょうか。