「選択7月号」

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  • メモ
  • イスラエルに怯えるイラン-「要人連続暗殺」諜報戦での敗勢
  • 世界食糧危機の隠された真実-戦争長期化を望む「勝ち組」の国々
  • 北朝鮮「核実験後」のシナリオ-米朝協議への渇望と焦燥
  • 参院選後「岸田人事」の焦点-「茂木問題」と安倍派の処遇
  • 安倍一派と「木原誠二」の確執-政権と宏池会を揺らす「暗闇」
  • 楽天モバイルはもう死んでいる-三木谷が負った「致命傷」
  • 電力ガス監視委員会「無能」の大罪-電気代高騰と停電危機の元凶
  • がん「個別化医療」の劇的進歩-「膵臓」治療でも高まる期待
  • 「地下シェルター」がない日本-物騒なご時世でも進まぬ議論
  • 日本のサンクチュアリ(574)一票の格差-日本民主主義の「バカの壁

小泉悠「ロシア点描-まちかどから見るプーチン帝国の素顔」

ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔

  • 図書館活用。
  • あっさり目の素っ気ない記述ですが、語り下ろした内容を編集者がまとめたところ、「出来上がったロシア像はひどく歪んだものになってしま」ったという反省から「事実上一から書き直して出来上がった」結果とのこと。
  • 「郊外に住む野良犬が餌を求めて都心行きの地下鉄に乗り、夕方になるとまた地下鉄に乗って自分の寝床に戻る」とか、「2016年時点でのロシア人の1人あたりアルコール摂取量は2003年と比較して40%も減」なのはプーチンが「スポーツ好きで、酒もタバコもやらないと公言する超健康志向型リーダーなので、社会にもこれが反映されている」からだとか、信じ難い話が淡々と紹介されていく様は北のマジック・リアリズムという感じ。
  • 2014年のウクライナ危機以降西側から食料が入ってこなくなったために、国産農産物の品質が向上したという話は目からウロコが落ちた。
  • 「ロシアを『大国』たらしめているのは意志の力、つまり自国を『大国』であると強く信じ、周囲にもしれを認めさせようとするところにある」「欧州の、さらには世界全体の秩序を書き換えること。西側を中心として形成されてきたポスト冷戦秩序を終わらせ、ロシアを含めた非西側諸国がより大きな発言権を持つ『ポスト・ポスト冷戦秩序』のようなものを作り出すのがプーチン大統領の目標なのでは」といった解説も流石。「現代ロシアの軍事戦略」と併せて、ロシア側の視点というものが朧気ながらにも見えてくる。

「リトル・ダンサー」

リトル・ダンサー [Blu-ray]

  • NHK-BSプレミアムで5月9日放送。スティーブン・ダルドリー監督。2000年。
  • 過去の成功例のフォーミュラをなぞっている感じが気になって今一つ乗り切れない。バレエとUKロック(Tレックス)の組合せも違和感が拭えなかった。ワム!カルチャー・クラブデュラン・デュラン辺りではなかろうか。
  • ラストは大成功しすぎでは(アダム・クーパーは格好良いですが)。脇役の一人ぐらいの方が響く気がする。

小泉悠「現代ロシアの軍事戦略」

現代ロシアの軍事戦略 (ちくま新書)

  • 図書館活用。今年のウクライナ侵攻で一躍有名になったユーリィ・イズムィコ先生。
  • ここに至る歴史として、ロシア側の視点やゲラシモフ・ドクトリン、また、2014年のクリミアやドンバス、2015年のシリア、2020年のナゴルノ・カラバフで何が行われていたのか等について理解が進んだ。
  • キーウ撤退の時期に議論の俎上に載っていた戦術核使用の可能性がこれを読むと俄然リアリティが増す。
  • 長期化する今回のウクライナ侵攻にはどういう落とし所が待っているのか。

「俺たちは天使じゃない」

俺たちは天使じゃない (字幕版)

  • NHK-BSプレミアムで3月15日放送。ニール・ジョーダン監督。1989年。
  • 公開当時面白そうだなと思った記憶あり。もう33年前の作品か。
  • 舞台劇を映画化した1955年版は未見ですが、「デビルズ島から脱獄した3人の囚人が強盗に入った雑貨屋の経営不振に同情して店を手伝うようになったことから起こる騒動をハートウォーミングに描く」というものらしく、かなり改変した別物リメイクのよう。
  • なりすましスラップスティックにしてはノリが悪く、ヒューマンドラマとしては薄く、米加国境の田舎町の佇まいとデミ・ムーアの無駄脱ぎだけが印象に残る。

ルビー・ウォリントン「飲まない生き方-ソバーキュリアス」

飲まない生き方 ソバーキュリアス

  • 図書館活用。序章から「私はソバキュリアンに転身したお陰で魂が覚せいし、明鏡止水の境地に達することができた」といったニューエイジセミナー風のメッセージが多発してビリビリにイヤな感じ。
  • 中盤に至って「私は天界の神秘とライフスタイルをテーマにした『ヌーミナス』というウェブサイトを立ち上げ、ニュー・エイジの現代版『ナウ・エイジ』(私が命名)に役立つ情報やツールを発信している。具体的には、占星術、ヨガ、瞑想、タロットといったツールだが、どれも私がハマっているもので、前著でもこうしたツールの活用方法を紹介した(中略)私はそのおかげで自分の霊と交信しやすくなった。精魂との交信を促す行いはすべて精神修行だ」といった辺りで本格的にギヴアップ。
  • ルビー・ウォリントンより大竹聡の方が精神的に健康な気がする。