小泉悠「ロシア点描-まちかどから見るプーチン帝国の素顔」
- 図書館活用。
- あっさり目の素っ気ない記述ですが、語り下ろした内容を編集者がまとめたところ、「出来上がったロシア像はひどく歪んだものになってしま」ったという反省から「事実上一から書き直して出来上がった」結果とのこと。
- 「郊外に住む野良犬が餌を求めて都心行きの地下鉄に乗り、夕方になるとまた地下鉄に乗って自分の寝床に戻る」とか、「2016年時点でのロシア人の1人あたりアルコール摂取量は2003年と比較して40%も減」なのはプーチンが「スポーツ好きで、酒もタバコもやらないと公言する超健康志向型リーダーなので、社会にもこれが反映されている」からだとか、信じ難い話が淡々と紹介されていく様は北のマジック・リアリズムという感じ。
- 2014年のウクライナ危機以降西側から食料が入ってこなくなったために、国産農産物の品質が向上したという話は目からウロコが落ちた。
- 「ロシアを『大国』たらしめているのは意志の力、つまり自国を『大国』であると強く信じ、周囲にもしれを認めさせようとするところにある」「欧州の、さらには世界全体の秩序を書き換えること。西側を中心として形成されてきたポスト冷戦秩序を終わらせ、ロシアを含めた非西側諸国がより大きな発言権を持つ『ポスト・ポスト冷戦秩序』のようなものを作り出すのがプーチン大統領の目標なのでは」といった解説も流石。「現代ロシアの軍事戦略」と併せて、ロシア側の視点というものが朧気ながらにも見えてくる。
ルビー・ウォリントン「飲まない生き方-ソバーキュリアス」
- 図書館活用。序章から「私はソバキュリアンに転身したお陰で魂が覚せいし、明鏡止水の境地に達することができた」といったニューエイジ系セミナー風のメッセージが多発してビリビリにイヤな感じ。
- 中盤に至って「私は天界の神秘とライフスタイルをテーマにした『ヌーミナス』というウェブサイトを立ち上げ、ニュー・エイジの現代版『ナウ・エイジ』(私が命名)に役立つ情報やツールを発信している。具体的には、占星術、ヨガ、瞑想、タロットといったツールだが、どれも私がハマっているもので、前著でもこうしたツールの活用方法を紹介した(中略)私はそのおかげで自分の霊と交信しやすくなった。精魂との交信を促す行いはすべて精神修行だ」といった辺りで本格的にギヴアップ。
- ルビー・ウォリントンより大竹聡の方が精神的に健康な気がする。