「ベイビー・ドライバー」
- BS12で1月15日放送。エドガー・ライト監督。2017年。
- 菊地成孔激賞の作品。曰く「全部で9回泣いた」、「映画によるブリティッシュ・インヴェイジョン」。
- カーラ・トーマス「B-A-B-Y」を歌いながら出勤するリリー・ジェームズの鮮烈さ。注文を取りに来て「デボラ」だ「デブラ」だと他愛もない話をするシーンも印象的。制服も可愛い。
- ジェイミー・フォックスはしっかり怖く、エイザ・ゴンザレスはしっかり下品で、フリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)もナチュラルに犯罪者然としていてビックリする。
- 初見でよく分からなかったマスクの件。ブギーマン=マイケル・マイヤーズと間違えてオースティン・パワーズ=マイク・マイヤーズのマスクを買ってしまったということか。JDがミスして殺される予兆にもなっているという。
- ケヴィン・スペイシーを久々に見た。セクシャル・ハラスメント告発が2017年10月なので、出演作としては最後から2番目(復帰の動きもあるよう)。
- すぐに殺されてしまう白スーツの武器商人はなんとポール・ウィリアムズ(公開当時77歳)。岡村隆史と同じぐらいの身長。
- 「息をつく暇もないほど脚本が緻密」「脚本だけでも十分見れるだけの高い脚本力」とのことですが、ポール・ウィリアムズ殺害以降は結構グダグダでそこまで緻密かなという印象。ケヴィン・スペイシーの最後の心境の変化とか裁判の適当さとかかなり雑では(一度足抜けさせておいて呼び戻す流れも説得力不足では)。
- 「ランダムな時代とジャンルからの流行歌の歌詞が全部物語のセリフと関係してくるんですよ。だから歌が脚本を駆動しているの。そこが本当にすごい」というところがポイントなんでしょう。「音楽愛を感じる映画としては(中略)ここ10年ぐらいの中でぶっちぎりにこれが1位」「音楽に対する気の利き方が半端ない」、「ガイ・リッチーもダニー・ボイルも持っているレコードはたぶん1000枚いってないですよ。だけどね、エドガー・ライトは3万枚持っていると思います。たぶん」とのことなので、映画館で大きな音で鑑賞すると印象も違ってくるのかもしれない。
- ソニーの映画なのに主人公がiPodマニア、でも本当に大事な音源はカセットテープ、というところも泣けるポイントだそうで、オープニングのソニーのロゴにソニー社のウォークマンに対する気概が溢れているらしい。
- 「マイルズ」という本名は「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のキャラクター「マイルズ "テイルス" パウアー」という説もあるようですが果たして。
- ヘッドフォンで大きめの音量で再度鑑賞したらやはり楽しく、グーギー・レネ「スモーキ・ジョーズ・ラ・ラ」、カーラ・トーマス「B-A-B-Y」、 ザ・コモドアーズ「イージー」など、ジックリと聴きたいものも出てきたので、サウンドトラックが欲しい。
「選択9月号」
- メモ
- 旧ユーゴ「戦争再発」の足音-「欧州戦線拡大」ロシアの謀略
- イラク「シーア派分裂」の混沌-ぶり返す中東危機の「発火点」
- 米中が「ネットの自由」で攻防戦-国家統制「推進」が主流になる窮地
- 統一教会と自民党「反ワクチン」で結託-子宮頸がん予防を阻んだ面々
- 岸田政権「短命」への暗転-汚れた内閣に支持は戻らず
- 米株式市場は「大荒れ」の秋に-波乱含みの「弱気相場」は続く
- 電気料金「上げ放題」の不埒-原発再稼働を強請る電力大手
- トヨタ生産方式は「時代遅れ」-世界情勢が変えた「在庫」の価値
- 楽天銀行「株式上場」の危うさ-グループ支援で「掟破り」の金策
- 「中国インバウンド」は戻らない-観光業界「甘い幻想」の罠
- 臓器移植は「革命前夜」の活況-「不死」の夢追う技術革新が続々
- 「食料安保」で焼け太る農水省とJA-物価高「便乗」で予算と利権が膨張
- 日本のサンクチュアリ(576)統一教会と警察-カルト教団「野放し」の闇
小池一夫/小島剛夕「子連れ狼<大合本>(1)~(10)」
- 一度読んでみたいなと前々から思っていた作品。これだけのヴォリュームの名作が600円で読めるのかとキンドル版を入手。
- 「トリビアの泉」で荒唐無稽な設定を嘲笑されていた記憶があるものの(乳母車に仕込んだマシンガン等)、漫画ではそこまでの違和感は感じさせない。
- 前半は一話完結のエピソードの割合が多め(完全無欠の非情な殺し屋という点でゴルゴ13を想起することは容易)で、後半は柳生への復讐というメインストーリーに集中して、これでもかとこれでもかとエグいぐらいに盛り上げる。そして唖然とするほど唐突に終幕。
- 「元公儀介錯人」「一殺五百両」「冥府魔道」「六道四生順逆の境」「牛頭馬頭」「裏柳生」「草」等々、キラーフレーズも頻出。面白い。
- 小島剛夕は白土三平のアシスタント出身。時折ほりのぶゆき「江戸むらさき特急」風味に見えてしまう。
- 「新・子連れ狼」(2003~2006年)、「そして-子連れ狼 刺客の子」(2007年~)という続編もあるようですが、好事家以外には読む価値はなさそう。