- 図書館活用。「レコード・コレクターズ」での連載(2016年7月号〜2018年11月号)を書籍化したもの。
- 著者は「泰安洋行」の強烈なファンで、連載終了から書籍化までの間に亡くなられたという畢生の一作。
- 死者に鞭打つようではあるものの思いの外つまらなかった。細野晴臣がいみじくも「強いロマンチシズムとぼくへのエールを感じた」と評していますが、思い入ればかりが空回りしていて知見の広がりや考察の深さが足りない印象。
- そこまで強烈なファンなのでであればせめて細野晴臣本人へのインタビューぐらいはもう少し面白くならなかったものか。
鹿島茂「怪帝ナポレオン三世-第二帝政全史 」
- カール・マルクス「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」をギヴアップした時に購入したもの。「マルクスが一番憎んでいたのは、ナポレオン三世のクー・デタで一掃されたティエールらのオルレアン王朝派ブルジョワジーであり、ナポレオンはプロレタリア革命を準備するために登場した、一種の『歴史的必然』であったと主張されているのがわかったはず」というカール・マルクス「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」評。
- ナポレオン三世から見ると「ナポレオンは父方の伯父であると同時に、母方の義理の祖父」というのは知らなかった。
- 「ナポレオン三世を徹底的にやっつける詩や散文を次々に書きつづけた」国民的詩人ヴィクトル・ユゴー、淫奔という点ではナポレオン三世を上回るものがあったというのが凄い。
- 民衆主権という揺るぎなき信念を終生持ち続けたというのが再評価ポイントの一つ。嘲笑の対象となった普仏戦争での降伏も同じ信念からと考えられ(「私に兵士を殺す権利はない」)、それ故に「セダンで、私たちは卑怯者ではなかったな、そうだろ?」という最後の言葉は切ない。
- スイスイと読めはするもののメリハリ不足で必要以上に長いので途中で飽きが来る。プロローグの面白さを本編が超えてこないというか。
細野晴臣「ハリー細野クラウン・イヤーズ1974-1977」
- 細野晴臣トロピカル3部作については「興味が無いわけでもない」という微妙な感じでしたが、その時期に横浜中華街でライヴをやっていて、その音源と映像が残っており、「ファイアークラッカー」も演奏していると耳にして、俄然興味をそそられて購入。
- 「トロピカル・ダンディー」は後半ずいぶん省エネな再利用ラインナップだなと思ったら、「自分のやりたいことが、A面で全部できちゃったんだよ。だから気持ち的にB面は捨てちゃった」とのこと。
- やはり「泰安洋行」の完成度が素晴らしい。「自分で言うのもなんだけど、客観的に聴いて、今も全然1枚通して聴けるなって思った」との本人談。延々と聴いていられる。
- 「レコード・コレクターズ」で「泰安洋行」を掘り下げた連載があった記憶。書籍化されているようなので読んでみたい。
- 「ファイアークラッカー」については「東南アジア風のメロディーと歌謡曲的、元禄花見踊りみたいなリズム」といった演奏前の説明。
- しかし70年代中盤にこんな音楽をやるセンスの突出したオシャレさ(港区生まれという感じ)。中華街でライヴをやってマリンバを弾きながら歌う姿のクールな格好良さ。星野源が憧れるのも理解できる。
「選択12月号」
- メモ
- 「トランプ再出馬」を喜ぶ者たち-バイデン二期目のか細い可能性
- ウクライナ「政権腐敗」の新局面-汚職「新興財閥」で新旧交代
- 「アルバニア・マフィア」が世界で猛威-欧米で変わる「闇社会」勢力図
- 中国が欧州各地で「森林強奪」-狡猾「違法伐採」を世界中で展開
- 政界スキャン(454)岸田「開成・筑駒・灘」政権の脆さ
- 岸田の旧友「経済指南役」が招く災厄-官邸に集う「三流人材」の面々
- 米ITバブルの「大底」は来年-景気後退後の株式市場の先行き
- 名ばかりの「防衛費増額」の茶番-財務省が阻止した「日本版DARPA」
- トヨタが販売店に命じる「違法行為」-顧客も巻き込む車検証「虚偽記載」
- 武田薬品「デング熱ワクチン」の商機-米欧寡占市場に分け入れるか
- 死刑「大賛成国」日本の異常-「葉梨発言」でも議論は深まらず
- 日本のサンクチュアリ(579)防衛研究所-国防予算増額の「別動隊」
「レコード・コレクターズ12月号」
- メモ
- Various Artists「The Rough Guide to Hokum Blues」
- Neil Young「Harvest: 50th Anniversary Edition」
一ノ宮美成/グループ・K21「京都の裏社会-山口組と王将社長射殺事件の聖域」
- 図書館活用。餃子の王将社長殺害の実行犯逮捕のタイミングでネットで色々眺めていたら読みたくなった。
- 実話系週刊誌のゲスな愉しみはあるものの、ファクトを追っているだけという消化不良感も。
- 宗教法人と同和利権と暴力団の組合せが京都風なのか。以下、目次だけメモ。
- 誰も書けなかった王将社長射殺事件の真相
- 山口組・高山若頭恐喝事件と京都ヤクザ利権
- 新興宗教に侵食された世界遺産「醍醐寺」
- エムケイタクシー「青木一族」と民族系信組の深い闇
- 京都駅前再開発に蠢いた「朝鮮総連フロント企業」
- 「マルハン」に連なる京都大学カジノ人脈
- 東本願寺の裏面史-内紛に群がった右翼、利権屋、勝共連合
- 突破者「宮崎学」の裏面史-れすとらん伏見殺人事件
- 墓地を競売にかけた京都信用金庫と事件屋