施耐庵「水滸伝(上)(中)(下)」

「金瓶梅」ではガッチリした完訳本に手を出し、面白いと思いつつも途中で放り出してしまった反省を踏まえ、サラリと読めそうな抄訳版で水滸伝にチャレンジ。 「いきなり少年文庫!?と言われそうですが、原典の抄訳としてこれがほぼベスト、と水滸伝ファンの…

林田球「ドロヘドロ(1)~(23)」

藤本タツキ「チェンソーマン」以前に紙版の1巻を購入して読んでいたものの、全巻いくかどうかしばらく悩んでいたもの。思い切ってゴー。 序盤でほぼ要素は出揃っていて、その後は同じようなところをグルグルグルグル周回、最後は一生懸命説明をつけて幕を引…

「ジャイアンツ」

NHK-BSプレミアムで2月15日放送。ジョージ・スティーヴンス監督。1956年。 クラシカルな叙事詩的映画として壮大に進行するものの、ジェームス・ディーンのオーヴァーな泥酔からのレストランでの喧嘩という終盤の流れはさすがに薄い。 エリザベ…

売払い

坂口尚「石の花(1)~(5)」 林田球「ドロヘドロ(1)」

「女と男のいる舗道」

早稲田松竹で(年明けの「WANDA/ワンダ」は行けなかった)。ジャン=リュック・ゴダール監督。1962年。 「人形浄瑠璃のよう」な「カリーナの代表的傑作」(菊地成孔)。アンナ・カリーナの首の異様な白さ、といったようなことを蓮實重彦が述べてい…

エイドリアン・トミネ「長距離漫画家の孤独」

図書館活用(こんなものまであるのか!)。 とてもスタイリッシュではあるものの、中身は、日本には掃いて捨てるほどある、自意識や不全感に苛まれる類のエッセイ漫画。

「ビューティフル・マインド」

NHK-BSプレミアムで1月16日放送。ロン・ハワード監督。2001年腕にチップ埋め込みとか雑誌に暗号とか諜報活動は怪しい感じを醸し出していたけれど、学生時代のルームメイトから既に幻覚だったのか!というサプライズが全てという感じ。 ラッセル…

「ゲンロン13」

シンギュラリティ民主主義の危険性とルソーの一般意志を扱った「新しい一般意志について」がとても面白い。「訂正可能性の哲学」が出たら読みたい。 ロシア関係の座談会「帝国と国民国家のはざまで」も面白かった。「ソルジェニーツィンは冷戦期は反ソ作家と…

「燃えよデブゴン」

NHK-BSプレミアムで1月1日放送。サモ・ハン・キンポー監督。1978年。 こんな映画だったんだという驚き。大して面白くもないB級コメディーですが、最初から最後までブルース・リーへの熱いオマージュ(「燃えよドラゴン」のオープニンでブルース…

「選択2月号」

メモ 英国が「西欧最貧国」に転落へ-EU離脱で深まった「生活苦」 「クリミア奪還」ウクライナの強硬-米欧が恐れる「最悪シナリオ」 ロシア資源生産は「激減」の運命-西側企業「撤退」で技術の限界 台湾で「政権交代」が起きたなら-「親中」国民党が総…

「大砂塵」

NHK-BSプレミアムで12月9日放送。ニコラス・レイ監督。1954年。 蓮實重彦「ショットとは何か」で詳しく語られていた作品。曰く「初めて『大砂塵』を見たときにつくづく思ったのは、映画で物語をたどることと画面を見ることとは、まったく別の作…

「舟を編む」

NHK-BSプレミアムで12月12日放送。石井裕也監督。2013年。 いかにもな雰囲気だけで2時間超は長く、違和感の多いキャスティングでリアリティーも感じられない(宮崎あおいと黒木華を入れ替えたほうがしっくりくるような気がする)。

「イエスマン“YES”は人生のパスワード」

NHK-BSプレミアムで12月13日放送。ペイトン・リード監督。2008年。 「ミュンヒハウゼン症候群」(「Munchausen by proxy」なので正確には「代理ミュンヒハウゼン」)のステージがもう最高。キッチュな被り物、バカバカしいオープニング、訳の…

「嵐が丘」

NHK-BSプレミアムで11月17日放送。ウィリアム・ワイラー監督。1939年。 エミリー・ブロンテ生涯唯一の作品にして世界三大悲劇の1つ、をハイライトでお送りといった作品。 「物語展開の荒々しさや非道徳的な内容もさることながら、表現上の複…

弐瓶勉「ABARA(上)(下)」

藤本タツキ「チェンソーマン」からの流れ(「邪悪なフリクリ、ポップなアバラ」)でヤフオクで入手。 初読ではさっぱり訳が分からないものの訳が分からないまま引き込んでくる力業。最高にクール。解説なども読みつつ一気に5周読ませる魅力があった。 林田…

「ザ・ロック」

NHK-BSプレミアムで11月16日放送。マイケル・ベイ監督。1996年。 製作ジェリー・ブラッカイマー製作、監督マイケル・ベイ、主演ニコラス・ケイジ、音楽ハンス・ジマー。無駄なフェラーリ破壊、大きな携帯電話、ハンニバル・レクターを思わせる…

「レコード・コレクターズ2月号」

メモ Neil Young「Harvest (50th Anniversary Edition)」 Various Artists「Wattstax: The Complete Concert」 James Brown「Super Bad Live!」 レコード・コレクターズ増刊「ディスコ・マッドネス!」

「遠い空の向こうに」

NHK-BSプレミアムで9月26日放送。ジョー・ジョンストン監督。1999年。 職業監督がテンプレートに沿ってチョチョイと作ってみたという薄っぺらい感じではあるものの、実話ベースの題材と相まって程良い仕上がり。邦題のダサさもそれらしい。 エ…

坂口尚「石の花(1)~(5)」

昨年の夏頃に購入したものの、どうにも乗り切れず苦戦しつつ読了。 ウスタシャ(クロアチア(パヴェリッチ)/チェトニック(セルビア(ミハイロヴィッチ))/パルチザン(共産主義(チトー))/スロヴェニア(クリロとフィー)という点を忘れるとあっとい…

売払い

鹿島茂「怪帝ナポレオン三世-第二帝政全史 」 「別冊映画秘宝:『イングロリアス・バスターズ』映画大作戦!」 タナカカツキ「サ道−マンガで読むサウナ道(1)〜(6)」 タナカカツキ「サ旅−マンガで読むサウナ旅(1)」 大友克洋「OTOMO THE COMPLETE W…

ニコラス・ロマノフ/カート・ブランガード「ランニング革命-もっと速く、長く、ずっと怪我なく走るための方法」

図書館活用。 着地はフォアフット、速度に必要なのは前傾(蹴り足は押し込まない)、プル(=シザース?)、がポイントなのかしら。やってみよう。

山本文緒「無人島のふたり-120日以上生きなくちゃ日記」

図書館活用。話題になっていたので。 題材が題材だけに感情の震えなしには読めない。グラタンをひっくり返した夫が泣き出す日など忘れられない。 率直ではあるけれども書かずにスキップしていることも山ほどありそう。 リチャード・スミス「がんで死ぬのは最…

「選択1月号」

メモ ウクライナ戦争の終わり方-必要条件は「プーチンの終焉」 ドイツ「国家転覆計画」が示す闇-凄まじき「極右思想」の広がり スパイウェア「世界拡散」の猛威-スマホ「丸裸」は日常のリスクに 「増税三昧」財務省の黄金の三年-岸田政権の末路は「使い…

「ハスラー」

NHK-BSプレミアムで10月27日放送。ロバート・ロッセン監督。1961年。 「人間にとって勝利とは、敗北とは何かを問い掛けた作品」「エディが一人の人間として生きようとするために越えなければならない試練の物語」「本作品の主題はエディのサラ…

藤本タツキ「チェンソーマン(1)~(11)」

アニメ化や第二部の連載で盛り上がっているのでネタバレしないよう慌てて消化。 永井豪「デビルマン」要素が透けすぎているような気はするものの、デンシティが高くて面白かった。デンジとマキマのキャラクターにマジカルな魅力がある。 第二部も楽しみ。完…

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」

NHK総合で3月5日放送。ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス監督。2017年。 これも菊地成孔激賞の一作。曰く「2018年度の最高傑作」、「『35ミリフィルムを使って、1970年代を再現した映画』史上の最高傑作であることは間違いない…

「レコード・コレクターズ1月号」

メモ Various Artists「Perú Selvático - Sonic Expedition into the Peruvian Amazon 1972-1986」 Les Mangalepa「Endurance」

「NOPE/ノープ」

早稲田松竹で。ジョーダン・ピール監督。2022年。 前半の不穏さからの後半のバカバカしさへの落差。先週のタル・ベーラ監督「ダムネーション/天罰」からの落差。楽しかった。 黒人兄妹が営むカリフォルニアの牧場の夕暮れ、流れるディオンヌ・ワーウィ…

長谷川博一「追憶の泰安洋行-細野晴臣が76年に残した名盤の深層を探る」

図書館活用。「レコード・コレクターズ」での連載(2016年7月号〜2018年11月号)を書籍化したもの。 著者は「泰安洋行」の強烈なファンで、連載終了から書籍化までの間に亡くなられたという畢生の一作。 死者に鞭打つようではあるものの思いの外…

「ダムネーション/天罰」

早稲田松竹で。タル・ベーラ監督。1987年。 ホン・サンス特集は結局1本も観くことができなかった。 「映画史上最も素晴らしい幾つかのモノクロームショット」/動くカメラ/雨/野良犬/預言者のような老女/粗野なはずの登場人物が滔々と語る観念的な…