2021-01-01から1年間の記事一覧

「クリフハンガー」

NHK-BSプレミアムで4月5日放送。レニー・ハーリン監督。1993年。 おおらかさとバカバカしさが絶妙に心地よい。キャッシュ(流通しない外国決済に使う1000ドル札の束)を盗むというのも前時代的。 台詞回しとか演技とかも一昔前のマナーで、…

菊地成孔「次の東京オリンピックが来てしまう前に」

ウェブマガジン「ヒルズ・ライフ・デイリー」に2017年4月から2020年7月まで連載されたものの書籍化。 「本書は後半になるにつれ、リベラリストと一般大衆(氏曰くヒステリックな民)に対する苛立ちと嘲笑めいたDISが目につくようになる。菊地氏は…

「レベッカ」

NHK-BSプレミアムで12月18日放送。アルフレッド・ヒッチコック監督。1940年。 主演はジョーン・フォンテイン。当初主演予定だったオリヴィア・デ・ハヴィランドの妹(仲の悪さで有名)。アカデミー主演賞を受賞した史上唯一の兄弟姉妹。二人と…

Aretha Franklin「Young, Gifted and Black」

ブルータス(3月15日号)「なにしろラジオ好きなもので」で紹介されていたJ-WAVE「フリップ・サイド・プラネット」を聴いていたら流れてきた「デイドリーミング」に、こんなに泣ける曲だったっけと大ハマリ。 「ヤング、ギフテッド・アンド・ブラッ…

東浩紀「ゆるく考える」

図書館活用。文庫化されたようですが単行本の方。「ぼくの『平成20年代』を集めたエッセイ集」であり、「長い試行錯誤の末、ようやく批評家として『やるべきこと』を発見した、その過程の文章を集めたもの」。 中心となる第二章は「震災後、ぼくはそのすべ…

「ムトゥ 踊るマハラジャ」

NHK-BSプレミアムで4月21日放送。K・S・ラヴィクマール監督。1995年。 1998年の日本での突発的ブームは記憶していますが、歌って踊るインド映画のエキゾティシズムだったんだろうか。インド映画史に残る傑作ではなさそう。 「きっと、う…

「選択5月号」

メモ 米政権「アマゾン解体」の現実味-「反トラスト法」の運用が大転換 「アリババ叩き」と習近平の焦燥-ハイテク企業「失速」の重い代償 現代史の言霊(37)五月の薔薇-仏大統領選でミッテラン当選(1981年) 菅はいつ「二階切り」に踏み切るか-…

Various Artists「猫も杓子もツイスト レディメイド未来の音楽シリーズCDブック編02」

なかなか発送されなくてヤキモキしましたが、タワレコでなんとか確保、したものの環境の変化もあって聴き込むのがすっかり遅くなった。 1作目「夜遊びに疲れてしまった」はめちゃくちゃハマったんですが、本作は今ひとつピンとこない。「おなじみのメロディ…

爪切男「死にたい夜にかぎって」

図書館活用。SUUMOの街歩きインタヴュー(中野~新井薬師~沼袋)で興味を持って。 車椅子の女性との初体験、唾液を売る女性のパートは既読だった(どこかのウェブで無料公開されていたはず)。 サービス精神が旺盛なせいかエピソードトーク集のような…

「聖の青春」

NHK-BSプレミアムで4月26日放送。森義隆監督。2016年。 平成将棋界の雰囲気は良いものの、大崎善生の原作にあった感動が全くない。悲惨。

都築響一編「Neverland Diner-二度と行けないあの店で」

図書館活用。「捨てられないTシャツ」の続編的位置付けで同様のコンセプトですが、写真がないのは少し寂しい。 今も手元にあるTシャツと二度と行けない飲食店の違いしかないはずなんですが、こちらの方がかなりウェット。思い入れたっぷりに若かりし日の自…

「汚名」

NHK-BSプレミアムで1月7日放送。アルフレッド・ヒッチコック監督。1946年。 今日的にもう少し扇情的に演出すると濃度の高い韓流ドラマっぽくなりそうですが、ギクシャクと進行していくのでどうにも入り込めず、有名なキスシーンだけが印象に残る…

「ラ・ブーム」

NHK-BSプレミアムで4月23日放送。クロード・ピノトー監督。1980年。 徹底的に他愛のない話ですが、これぐらい無内容な方が13歳のソフィー・マルソーの可愛さに集中しやすくて良い、と思っていたら驚愕のラスト。 これから15分はアメリカン…

磯部涼「ルポ川崎」

図書館活用。2017年の刊行時に気になったもののすっかり忘れていましたが、文春オンライン掲載分を読んで関心が甦った。 2019年のクレイジー・ジャーニー(Bad Hop回)でコアになる部分はカヴァーされているものの、東京の河向うににここまで強烈な…

「笑の大学」

NHK-BSプレミアムで3月30日放送。星護監督。2004年。 稲垣吾郎でなければという感想は浮かぶものの、そもそもラジオ・ドラマからの二人芝居であって映画向きではなさそう。ラジオ・ドラマ版の三宅裕司/坂東八十助、舞台版の西村雅彦/近藤芳正…

「男はつらいよ-寅次郎の告白」

BSテレ東で2月6日放送。山田洋次監督。1991年。見逃していたシリーズ第44作。 吉田日出子に「つまんなかった。あれだったら監督と喧嘩してでも、自分のやりたいようにやればよかった」と酷評された作品ですが、寅次郎・満男・泉の旅先での邂逅、ク…

「地獄への逆襲」

NHK-BSプレミアムで3月26日放送。フリッツ・ラング監督。1940年。 無声映画の巨匠というイメージだったので、フリッツ・ラングがハリウッドでB級プログラム・ピクチャーを多く監督していたというのは意外。 裁判劇からのクレムの死、ボブ・フ…

「地獄への道」

NHK-BSプレミアムで3月19日放送。ヘンリー・キング監督。1939年。 鉄道会社が悪というのはかなりはっきりしているものの、義賊的な描写がなかったのは意外。大衆の味方ではなく個人的な復讐。 暗闇の列車強盗のシーンが現代的な緊張感があって…

「飢餓海峡」

NHK-BSプレミアムで2月8日放送。内田吐夢監督。1965年。 重厚で前半は非常に引き込まれるものの、後半ずるずると安いサスペンスになっていて、尻すぼみ感は拭えない。 なんとなくの納得感だけで「よし、樽見逮捕!」とか、切った爪を動かぬ証拠…

スズキナオ「関西酒場のろのろ日記」

図書館活用。 心和む楽しい本ですが、酒類提供自粛要請下のゴールデンウィークに読んでもフラストレーションが貯まる。酒場どころかチェアリングも自粛対象。 ザ・ノンフィクションに出てきた居酒屋(1969)っぽい雰囲気だと思ったらやはり大阪駅前第3…

「80日間世界一周」

NHK-BSプレミアムで12月18日放送。マイケル・アンダーソン監督。1956年。 オープニングの解説パートに取って付けたような違和感はありますが、ストレートな娯楽大作でほのぼのと楽しい。パスパルトゥ役のカンティンフラスが可笑しい。 あの有…

ユヴァル・ノア・ハラリ/ダヴィッド・ヴァンデルムーレン/ダニエル・カザナヴ「漫画サピエンス全史-人類の誕生編」

図書館活用。これもかなり前に予約していたもの。ユヴァル・ノア・ハラリの原作は未読ですが、なんとなく内容は大掴み。 「マンガでわかる!」という国内でよくある企画ですが、アニメ絵ではなくバンド・デシネというのが良い。 シリーズものになるようです…

TABIZINE「いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日」

図書館活用。かなり前に予約していたものがこのタイミングで到着。 あぁここ行ったなぁ、ここは行きたいなぁとぼんやり眺める分には楽しいですが、緊急事態宣言発令のタイミング読んでもフラストレーションが貯まるだけ。 大洗海岸の鳥居、草津温泉、鋸山、…

「選択4月号」

メモ 米共和党「選挙制度改悪」の謀略-各地で進む有色人種「投票制限」 中国経済「虚構」の急回復-米中対立で誇大な「宣伝戦」 広告を裏読みする(28)ネット広告が直面する「二つの壁」 公明党に兆す連立政権「解消論」-創価学会「消えた政治部長」の…

「ラ・ラ・ランド」

NHK-BSプレミアムで1月2日放送。デミアン・チャゼル監督。2016年。 菊地成孔の酷評が刷り込まれているのか分かりませんが、音楽も脚本もまったくいただけない。モヤモヤする。

五代目古今亭志ん生「決定版五代目古今亭志ん生ベスト落語集”哀楽編”」

図書館活用。 「水屋の富」(1955年9月18日。NHKラジオ寄席)はサラッと短い噺。思わぬ小金を持って資産防衛にアクセクする現代人にも通じる普遍性。 お目当てだった「厩火事」(1956年1月1日。NHKお笑い東西寄席)は、「逸品」とされる…

「レコード・コレクターズ5月号」

メモ 映画「アメイジング・グレイス」(5月28日(金)公開) gaga.ne.jp

「100万ドルの血斗」

NHK-BSプレミアムで12月18日放送。ジョージ・シャーマン監督。1971年。 冒頭のスピード感や迫力、1909年という時代設定等、演出が新しい分かえって古臭さが悪目立ち。還暦過ぎの老人が異様にタフで屈強な設定というジョン・ウェイン世界の…

菊地成孔「菊地成孔の映画関税撤廃」

図書館活用を一旦控えて積み本を消化。 相変わらず芸のある文章で読み応えはありますが、扱われている作品を一本も観ていないので面白さ半減。 あとがきの蓮實重彦のエピソード(「表層を徹底的に観て、感じる動体視力というのは、これのことだ」)が面白か…

佐藤雅彦/菅俊一/高橋秀明「行動経済学まんが-ヘンテコノミクス」

図書館活用。 行動経済学の取っ掛かりとしては良いのかもしれませんが、もう少し深度が欲しいところ。巻末で紹介されている「サンク・コスト効果」「プロスペクト理論」「ナッジ」等こそ漫画で紹介してほしかった。