2013-01-01から1年間の記事一覧

「ディア・ドクター」

NHK−BSプレミアムで6月10日放送。西川美和監督。2009年。 西川美和というと、「ゆれる」(2006年)でいきなり出てきた鬼才という勝手なイメージがあったため、意外に普通だなと思いつつ観ていたのですが、鑑賞後、存外に残るものがあります。…

都築響一 「珍日本紀行−東日本編」

文庫限定、都築響一シリーズ。「賃貸宇宙」に続いては「珍日本紀行」、東日本編から。 個人の生活空間ほどには興味・関心が持続しないため、読んでいる間に少しずつ倦んできて、一旦放り出してしまいました。 とはいえ、「珍日本紀行−西日本編」、「珍世界紀…

「ゆりかごを揺らす手」

NHK−BSプレミアムで6月19日放送。カーティス・ハンソン監督。1992年。 豪邸でナニーを使うアナベラ・シオラにも、そのアナベラ・シオラの子に母乳を含ませるレベッカ・デ・モーネイにも感情移入できず、ニュートラルに観ていると意図不明な微温…

古谷実 「ヒミズ(1)〜(3)」

「シガテラ」に続き古谷実。一つ遡って「ヒミズ」(2001年〜2003年連載)。 初のシリアス路線でリアルタイムでは衝撃的だったと思いますが、一方向に極端に振り切っているだけに、「シガテラ」ほどの驚きはありません。 「シガテラ」でも思いました…

「リオ・グランデの砦」

NHK−BSプレミアムで6月4日放送。ジョン・フォード監督。1950年。 「アパッチ砦」、「黄色いリボン」と並ぶ騎兵隊三部作の最終作。前二作は未鑑賞。 やや歌のシーンが多すぎるかなという気はしましたが、オーセンティックな王道作品で気持ちよく観…

大槻ケンヂ 「ボクはこんなことを考えている」

「のほほん雑記帳」に続いてもう一つ大槻ケンヂのエッセイ。1993年。松岡正剛が千夜千冊で取り上げていたのが本作。 特段の感想なし。強いて言えば、著者20代のエッセイを2冊読んでしまいましたが、どちらかは最近のものにすればよかったという気もし…

「キャスト・アウェイ」

NHK−BSプレミアムで6月14日放送。ロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス主演の「フォレスト・ガンプ」コンビ。2000年。 トム・ハンクスのダイエット待ち期間中に本作と同じスタッフでつくったのが「ホワット・ライズ・ビニース」(2000年…

売払い

手塚治虫 「三つ目がとおる(1)〜(10)」 山上たつひこ/いがらしみきお「羊の木(1)〜(3)」 「ナショナル・ジオグラフィック傑作写真ベスト100」 吉田豪 「人間コク宝」 荻原健太「レコード・コレクターズ増刊:ザ・ビーチ・ボーイズ・ディス…

「レコード・コレクターズ9月号」

メモ Various Artists 「The History of New Orleans Rhythm & Blues Vol. 1 1921-1949」 Various Artists 「The History of New Orleans Rhythm & Blues Vol. 2 1947-1953」

「死ぬまでにしたい10のこと」

NHK−BSプレミアムで5月31日放送。イザベル・コイシェ監督。2003年。ペドロ・アルモドバルがプロデュースに参画していたとのこと。 隅から隅まで何一つピンとこず、好きな人は好きだろうな、という気もしません。 ダイエット・ノイローゼの友人ロ…

大槻ケンヂ 「のほほん雑記帳」

「グミ・チョコレート・パイン」に続いてエッセイ。1992年。 緩くて鑑賞に堪えないものも散見されますが、初体験相手のエピソードはさすがに訴求するものがありました。 椎名誠も東海林さだおも好きなのですが、この昭和軽薄体もどきの文体は肌に合いま…

古谷実 「シガテラ」

古谷実作品は読んだことがなかったのですが、古谷実が望月峯太郎を敬愛しているとのことから、代表作らしき本作にチャレンジ。2003〜2005年連載。 ビルドゥングス・ロマンの骨格に、ディテイルのリアルさで肉付けした、全くオリジナルな運び方に、思…

「ザ・タウン」

NHK−BSプレミアムで5月24日放送。ベン・アフレック監督第2作。2010年。 最新作「アルゴ」が大好評なベン・アフレック監督の前作ということで観てみました。原作はチャック・ホーガンの小説「強盗こそ、われらが宿命」。 「ヒート」の二番煎じと…

大槻ケンヂ 「グミ・チョコレート・パイン」

江口寿史による表紙のインパクトもあり、リアルタイムで存在は認識していた作品。もはやセミ・クラシックな存在になりつつあるのかと思い、読んでみました。 完結まで10年以上かかっていたとは知りませんでした(「92年に、読み切りのつもりで書いた小説…

「選択8月号」

メモ 米国の農業は強くない−農薬と補助金依存の「病的」な産業 参院選最大の敗者は「メディア」−安倍に「完全屈服」したテレビ・新聞 政界スキャン(342)−分水嶺に立つ安倍 「首相動静」の虚実−新聞「三行広告」に群がる輩たち シリーズ企業研究・東京電…

「なにはなくとも全員集合!!」

NHK−BSプレミアムで6月6日放送。渡辺祐介監督。1967年。 実際にあった西武バスと草軽電気鉄道(東急)の顧客争奪戦がモチーフとのこと(いかりや長介(西武バス)対三木のり平(東急鉄道))。今ならサーベラスとのTOB攻防をネタにするような…

「ニューヨークの王様」

NHK−BSプレミアムで6月7日放送。チャールズ・チャップリン監督。1957年。 チャップリン最後の監督・主演映画(最後の監督作品は「伯爵夫人」(1967年))。アメリカでは1970年代初頭まで公開されなかったとのこと。 両親の仲間の名前を密…

吉田豪 「人間コク宝」

これは何で購入したんだったか。最近のことなのに経緯が思い出せません。 タレント本蒐集家だけあって良く調べてありますが、端的には、あまり知られていないやんちゃエピソードを聞き出すだけで、トーンが一本調子なので読んでいて飽きるというきらいはある…

「殺人狂時代」

NHK−BSプレミアムで5月10日放送。チャールズ・チャップリン監督。1947年。 主人公には、実在したフランスのシリアル・キラー、アンリ・デジレ・ランドリュー(1869〜1922年)というモデルが存在するようです。 波力発電も海水燃料ももは…

都築響一 「賃貸宇宙−UNIVERSE for RENT(上)(下)」

「TOKYO STYLE」の続編。転居にもモメンタムを失うことなく、文庫で入手できる都築響一作品は全てオーダー。 上巻2,310円、下巻1,785円と文庫としてはお高め。厚さに背表紙が耐えられないという構造上の欠点はあるように思います(下巻の表紙と本…

「黄金狂時代」

NHK−BSプレミアムで5月17日放送。チャールズ・チャップリン監督。淀川長治が選ぶベスト1作品。 オリジナルのサイレント版は1925年。チャップリン自身がナレーションをつけて再公開したサウンド版は1942年。今回放映されたのは後者。 ナレー…

「レコード・コレクターズ7月号」

買い忘れていたため1ヶ月遅れで購入。 メモ Various Artists「The Sun Blues Box」

「キッド」

NHK−BSプレミアムで5月17日放送。チャールズ・チャップリン監督。1921年。 子役ジャッキー・クーガンの可愛いこと。ジャッキー・クーガンは、その後、稼いだ金を母と義父に使われてしまい、訴訟沙汰になったことから、子役が成人するまで出演料…

「レコード・コレクターズ8月号」

7月号を買い忘れていたことに気がつきました。本号と同じランキング特集だと思うと、わざわざ後追いで購入する気力が萎えます。来月もランキング特集。 ハープ・アルバート&ティファナ・ブラスの演奏で大好きになった「プロミセス、プロミセス」について。…

「私がクマにキレた理由」

NHK−BSプレミアムで5月27日放送。シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ監督。2007年。 邦題もたいがい酷いですが、内容にも特段の見どころがなく、強い印象を残すのはスカーレット・ヨハンソンのパンツぐらい。 ミスターXがポ…

「モンタナの風に抱かれて」

NHK−BSプレミアムで5月21日放送。ロバート・レッドフォード監督。1998年。原題は「Horse Whisperer」、ニコラス・エヴァンズのベストセラー。 ミドルティーンのスカーレット・ヨハンソンが出演していたのは想定外の収穫。 美しい風景、甘ったる…

宮崎駿 「トトロの住む家<増補改訂版>」

新居の近隣に、本書で扱われた家の1つがあるとのことで購入してみました。 「月刊Asahi」の1991年2月〜8号に連載していたもの。「当時ぼくは杉並の阿佐ヶ谷に仕事場を持っていて、あのあたりをあちこち散歩して」「いて偶然に見つけた」りした「…

「しゃべれどもしゃべれども」

NHK−BSプレミアムで5月21日放送。平山秀幸監督。2007年。 以前、国際線の機内かどこかで観て悪くなかったような記憶があったので、改めて観てみたところ、思いの外雑なストーリーの運びではありましたが、夏の下町の情景、就中、外山家の佇まい…

山名昇「BLUE BEAT BOP! (REISSUED EDITION)」

2度目のリイシューという事実から、スカ/ロック・ステディー本として充実したものと推察、購入を決断。 ゴチャゴチャとして整理が悪い、頭に入りにくい文章だなと最初は拒絶反応を起こすのですが、慣れてくるとこのディテイルの羅列が(たとえ馴染みがなく…

Carole King 「Tapestry」

何となくこれまで縁がなかったキャロル・キング1971年の超特大ベストセラー(累計2500万枚)。 山下達郎「オン・ザ・ストリート・コーナー2」に収録されていた「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」と、そのライナーの解説「1960年シレルズ…