2008-01-01から1年間の記事一覧

リチャード・ブローティガン 「芝生の復讐」

ブローティガン再評価の波。ピンと来ないまま文庫が出る度に一応購入。「アメリカの鱒釣り」、「ビッグ・サーの南軍将軍」、「西瓜糖の日々」に次いで4冊目。 「時には人生はカップ一杯のコーヒーがもたらす暖かさの問題、とリチャード・ブローティガンがど…

Various Artists 「Saturday Night Fever」

オデッセイ(ホンダ)のCMが格好良い。ビージーズ「ステイン・アライヴ」というと「アッハッハッハ、ステンアライヴ、ステンアライヴ」というダサいファルセット・コーラスのイメージで敬遠してましたが、改めて聴いてみると中々良いものです。ギターのリ…

「選択11月号」

メモ 「オバマ政権下」の国際秩序−米国の指導力減退で世界は大混乱に アメリカ国民「選挙直前」の心象風景−経済危機深まる中で 「アメリカの悲劇」としてのブッシュ時代−その「幕切れの筋書き」はまだ見えてこない EU中枢に「亀裂」にわかに走る−サルコジ…

ジェローム・K・ジェローム 「ボートの三人男」

いつどんなきっかけで購入したのか今となっては全く思い出せません。奥付は2004年8月20日付の第21刷なので、割と最近のことなのですが。 ロンドン観光に携行したので、この「ボートの三人男」は、ロンドン橋やミレニアム・ブリッジを渡ったり、ドッ…

柳家小三治 「ま・く・ら」

「もひとつま・く・ら」とともに積みっ放しだったのですが、NHK「プロフェッショナル−仕事の流儀」をきっかけに着手。 「プロフェッショナル」では異様にストイックな人になっていましたが、こうやって読んでいると飄々とした語りが(当たり前ですが)イメー…

司馬遼太郎 「播磨灘物語(1)~(4)」

司馬遼太郎は「坂の上の雲(1)」だけ購入したまま読み始めるきっかけを待っている状態が長いこと続いていたのですが、ここにきて思わぬ方向から突破口が。 みなもと太郎「風雲児たち」で紹介されつつも詳しく語られなかった、黒田如水と高田屋嘉兵衛の2人…

Xavier Cugat 「The Best of Xavier Cugat」

先日東京都美術館にフェルメール展を見に行った際、上野公園でフィドルとドラムの2人組が「テキーラ」を演奏しているところに遭遇しましたが、あまりのキレの無さにフラストレーションが。 帰宅してからCD棚を捜索してみましたがレニングラード・カウボー…

「レコード・コレクターズ11月号」

レコスケくんの新作が(ベイ・シティ・ローラーズ)。嬉しい。 メモ Blind Lemon Jefferson 「Complete Recordings」 James Brown 「I Got the Feelin': James Brown in the 60's 」

桂米朝 「特選!!米朝落語全集(06)」

「はてなの茶碗」が聴きたくて色々物色しており、一時は「茶金」で聴こうかとも思いましたが、京須偕充も勧めていることですし、桂米朝で是非とも聴きたくなりました。 筋立てが良くできているのであらすじで読んでも非常に面白いのですが、その分実際に聴い…

つげ義春 「つげ義春コレクション;ねじ式/夜が掴む」

こんなものがちくま文庫から。1993年に発行した全集を文庫化する企画のよう。 2008年10月から以下の順で毎月1点発行らしい。 ねじ式/夜が掴むねじ式 大場電気鍍金工業所/やもり 李さん一家/海辺の叙景 近所の景色/無能の人 紅い花/やなぎ屋…

桂米朝 「私の履歴書」

いかにも「私の履歴書」という感じで記述が淡々とし過ぎており、かなり物足りないのですが、キャリアが概括出来ることは出来ました。 他方で青年期に見た芝居の記憶が素晴らしく豊富なのですが、こちらに素養がないので楽しめなかったり。 「私、この二〜三…

「選択10月号」

メモ 「未承認国家」という名の「危険物」−コソボが開けた「パンドラの箱」 マケインの選挙運動が変わった−仕掛け人「シュミット」の凄腕 「タリバン」とはそも何者か−過激社会が育て上げた「怪物」 存在感強める共産に民主が危機感−「対策チーム」を設置 自…

開高健 「オーパ!」

書店の夏休みフェア的なコーナーに平積みにされており、懐かしくてついつい購入。世代的に開高健は「テレビで釣りをしている人」です。 こういう作品を読むと釣りは素敵な趣味だなといつも思うのですが、実際にやる気にさせるだけの誘発力を持った作品に巡り…

春日真人 「100年の難問はなぜ解けたのか−天才数学者の光と影(NHKスペシャル)」

サイモン・シン「フェルマーの最終定理」、高橋昌一郎「ゲーデルの哲学−不完全性定理と神の存在論」と、このところ数学ノンフィクションに面白いものが続きましたが、こういう出来事もあったとは知りませんでした。 世紀の難問「ポアンカレ予想」を解決しな…

桂米朝 「特選!!米朝落語全集(06)」

人間国宝・桂米朝と言えば「百年目」。 米朝自らが一番難しい噺というだけあって、素晴らしく身の詰まった大ネタ。「至芸」という言葉を想起せざるを得ません。何度聴いてもクスッと笑えてジワッと感動します。 「目んない千鳥」とはなんのことか分かりませ…

売払い

ボリス・ヴィアン 「ボリス・ヴィアン全集3−うたかたの日々」 ジャン・ジュネ 「泥棒日記」 ジョルジュ・バタイユ 「マダム・エドワルダ」 A・ピエール・ド・マンディアルグ 「オートバイ」 チェ・ゲバラ 「ゲバラ日記」 スティーヴン・キング 「回想のビ…

スティーヴン・キング 「回想のビュイック8(上)(下)」

未読本がかなり積み上がってきてしまったため、昨年7月にヘンリー・ミラー「北回帰線」を読了して以来の不良債権処理に挑もうかとも思ったのですが、それに費やす時間が突如としてバカバカしく感じられたことから、ボリス・ヴィアン「ボリス・ヴィアン全集…

Dennis Wilson 「Pacific Ocean Blue」

デニス・ウィルソンというと「ライヴ・アット・ネヴワース・1980」における「ユー・アー・ソー・ビューティフル」の絶唱が印象に残っていますが、逆に言うとそれ以外は特に印象に残っていません。「サンフラワー」で4曲も作曲していたなんて全く意識し…

「レコード・コレクターズ10月号」

メモ Son House & Charley Patten 「The Legendary Delta Blues Sessions」のリイシューは、「同録音の中で05年に発見されるまで現存が確認されなかった『Clarksdale Moan』『Mississippi County Farm Blues』も収録した完全盤!」とのこと。ちょっと悔し…

桂枝雀 「桂枝雀落語大全(35)」

江戸落語にまだまだ聴きたいものは山ほどあるのですが、少し上方に寄り道して、爆笑王・桂枝雀の代表作「代書」(と「いらちの愛宕詣り」)。 最初紙ケースを見たときにはお高くとまった仕様だと思いましたが、ライナーが丁寧(ネタの解説+速記)なのはやは…

「選択9月号」

メモ 「正統性」問われる旧ユーゴ戦犯法廷−主役カラジッチ登場で白日下に 揺らぐ欧州の「高率消費税」−大衆の忍耐が限界に 火が噴いたカフカス−「ユーラシアの十字路」グルジア トルコの「休戦」は束の間の小憩−「国是」名目の権力闘争本番はこれから 国際ア…

高島俊男 「お言葉ですが...」

週に1回の入浴時にコツコツと読み進んでやっと読了。 読み方のせいで全体の印象は希薄ですが、「天声人語のネーミング的研究」は印象深かった(意外にも出自はハッキリしない)。 面白いことは間違いないのですが、同じようなテーマ(言葉の誤用)の短い文…

林家正蔵(彦六) 「NHK落語名人選(91)」

「笠と赤い風車」と「こんにゃく問答」。視覚情報抜きでは厳しいとは知りつつも「こんにゃく問答」が聞きたかったので。 「こんにゃく問答」といえば林家正蔵。いわゆる彦六師匠。言うほど木久扇のモノマネは似ていない気がしましたが、晩年に向けてああなっ…

村上春樹 「ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック」

「マイ・ロスト・シティー」に続いて中公文庫から買い換えて再読する村上春樹翻訳ライブラリー。「マイ・ロスト・シティー」は翻訳中心ですが、本作は村上春樹のエッセイ中心。分量的には半々ぐらいでしょうか。 最晩年、ロサンゼルスで一人暮らしのフィッツ…

三遊亭圓生 「NHK落語名人選(87)」

久々に落語。6代目三遊亭圓生。 三遊亭圓生は、演目が多すぎて何を聞くべきかよく分からなかったものの、京須偕充が「圓生の録音室」で「圓生さんの『淀五郎』はよかった。他をよせつけなかったと言っていい」と賞賛していたので「淀五郎」にしてみました。…

ダシール・ハメット 「マルタの鷹」

[rakuten:book:10215111:image] 菊地成孔・大谷能生 「M/D マイルス・デューイ・デイヴィス3世研究」がやたら重かったので、次は文庫と決めていました。 というわけで、村上春樹が「カルト的オフビート性」と評したダシール・ハメット「ザ・マルチーズ・…

Jackie & Roy 「Storyville presents Jackie and Roy」

村上春樹が「ポートレイト・イン・ジャズ2」で愛聴盤に挙げていたアルバム。ストーリーヴィルの10インチ・コレクションとして再発されていたので購入してみました。 同書でも「とくに"Thou Swell"や"Season in the Sun"において、ジャッキーとロイの明る…

「レコード・コレクターズ9月号」

メモ Syl Johnson 「Ultimate Funky Years」

Son House, Charlie Patton 「The Legendary Delta Blues Session」

小出斉「ブルースCDガイドブック2.0」を片手に戦前ブルースをつらつらと物色してみるに、この極め付けの有名盤を持っていないことに気付きました。 ドッカリー・プランテーション(チャーリー・パットンの拠点)やパーチマン・ファーム(サン・ハウスが…

菊地成孔・大谷能生 「M/D マイルス・デューイ・デイヴィス?世研究」

これは手強い分厚さだな、と読み始める機会を探っていたのですが、ペラペラッと読み始めたらあれよあれよと最後まで一気に読了。 「東京大学のアルバート・アイラー」同様、パースペクティブがバキバキと拡がる至福の読書時間。 豊富に掲載された写真が良い…